デジタルアナリティクスが求められる背景【デジタルアナリティクス入門1】

◆デジタル化する社会・組織・個人活動

SNSで話題の製品になんとなく関心をもち、Amazonの評価を読んで購買を検討。

◆デジタル化する社会・組織・個人活動

SNSで話題の製品になんとなく関心をもち、Amazonの評価を読んで購買を検討。
リアル店舗で体験した上で、比較サイトで最安値で出している 店でそのまま購入し、その感想をSNSで発信して皆と分かち合う。
このような消費者の購買活動は、もはや当たり前になっています。
さらに企業へのタッチポイントも、2013年には遂に主要サイトでのPCからのアクセス数は昨対比マイナスとなっていることから、急激にスマート デバイス系にシフトしていることが分かります。
これにより、PCの前に座ったときだけでなく、日常生活のあらゆるシーンでネットを通じた情報・サービスにアクセスし、同時に発信出来る環境にいるわけです。実際、今世界で発生しているデジタルデータのうち、大半はWebアクセスなどのログや個人発信系データといわれています。
このようなデジタルシフトの動力の1つは、いうまでもなく技術の進化です。
スマートデバイス・デジタルサイネージ(電子看板)・3Dプリンタなど、情報を伝える質・速さ・双方向性が劇的に増すことで、買い物だけでなく、カロリー摂取量をリアルタイムに把握したり、口コミで社会活動を促したり、良質な教育を無償で受講したりすることが簡単に出来る時代になりました。

◆複雑化するアナリティクステクノロジー

このように幾何級数的にデジタルデータが肥大化していくと、必然的にそれを次の施策に利活用したいというニーズも膨らみます。
Google Trendを使って日本で“アナリティクス”という検索キーワードのランキングを調べると、2009年から劇的に関心が高まっています。
なお、これはグローバル全体でも同じ傾向です。(是非関心のある方は色々と試してみてください)

ただし、アナリティクスに関する製品は古くから存在しており、現在ではテクノロジーの進化に伴いさらに複雑化しています。
発生ソースという切り口で代表的なものを簡単に整理してみると、以下のとおりになります。
  ・ビジネスプロセス → DWH/BI
  ・Webアクセスログ → アクセス解析
  ・CGM(Facebook,Twitterなど) → ソーシャル分析ソフト
  ・センサー/ItoT → BigData系製品

用途という視点でも、例えば過去データの帳票生成に特化したものや、逆に将来を予測するためのデータマイニングなど、多種多様な製品が氾濫しています。
非常に悩ましいのは、用途もそうですが、ソースの発生源となる企業・消費者活動自体がリアルとネットで行き来しているため、対応する技術・製品群も見直す必要があるということです。この数年主にBtoC業界で注目されているO2O(Offline to Online)はその一例です。

◆変化対応が求められる企業・個人の対応

テクノロジーの進化や手法の高度化に応じて、企業・個人も変化を求められる領域は出てくると思いますが、それは単に新しい製品を学ぶことを意味しません。
肝心なのは、「基本を改めて振り返ること」です。今まで外部環境の変化をつらつらと書き連ねてきましたが、ただし「アナリティクスの原則」は変わりません。
それは、あえて一言で書けば「PDCA(Plan-Do-Check-Action)を回すこと」です。
従って例えば、何も計画(Plan)のないままに単に新しい技術・手法を採用しても、これがないとおそらく(コストをかけた割には)事業成果に繋がらずに終わるでしょう。
勿論「PDCAをまわす」より、もう一歩掘り下げたもしくは関連した要素も存在します。

このコラム連載では、あまり細かい各論や技術解説にならないように配慮しつつ、デジタルアナリティクスの世界で肝に銘じるべき重要な要素を、Webログの分析を中心に取り上げて説明していきます。

次回は、今回あえて大雑把に使った「アナリティクス」という言葉の定義とその目的から触れたいと思います。

オーリック・システムズ株式会社
デジタルアナリティクスコンサルタント
福岡 浩二