それ経費にしないと損です!確定申告で申告するか悩む4つの費用

 確定申告の締め切りまであと一ヶ月ですが、知識がなくて申告漏れしていたり、「これって申告するのマズイかな〜」という領収書を持っていたりしませんか?そこで本稿は、確定申告で申告するか悩む代表的な4つの費用をご紹介します。割り勘、領収書がない、明細付きレシート、宛名が上様、これらにどう対応すればよいか税理士の谷口さんが解説してくれます。

納税の義務を果たす者に認められる権利、それは経費の申告だ!


 時は2月半ば、既に確定申告の締切期日まで一ヶ月を切ろうとしている…

 大体の領収書はまとめたはずなんだけれど、もっと色々使った気がするんだよなぁ。と感じている方はいらっしゃいませんか?

 その直感、もしかすると当たっているかもしれません。

 私達は皆、正しく税金を支払う義務を果たすのですから、漏れなく経費をお国に認めてもらう権利を持っているのです( ー`дー´)キリッ

 もう一ヶ月は、まだ一ヶ月!

 知識がなくて申告漏れしていたり、「これって申告するのマズイかな〜」という経費が無いか、本稿を読んでチェックしてみてください。

パターン1:割り勘飲み会で領収書が無い!


 飲み会などが割り勘(ワリカン)で領収書がもらえなかったり、領収書をなくしてしまったりした場合、経費にすることを断念していませんか?

 そんなあなたは要チェック!

 割り勘とした場合に、領収書がなくても経費に落とすことが可能な場合があります。

 どうすれば良いかというと、メモ紙などに、以下の事項をメモしておいてください。
  • お店の名前
  • お店を利用した年月日
  • 内容(飲食代・買ったものの内容など)
  • 自分が支払った金額
 そのほか、
  • 一緒に行った人の名前
  • 領収書がない理由(割り勘だったためとか、なくしてしまったためとか)
 も書いておくことをおすすめします。

 ショップカードがもしあれば、もらっておいてそれにメモしてもよいですね。

割り勘により領収書が無いけど申告を行う際の注意点


 この際の注意点は、架空の金額を書くことは絶対にNGです。脱税行為なので、バレれば追徴税額の徴収など、処分が非常に重くなります。

 それも含めて、注意点は以下の通り。
  • あくまで自分が支払った金額を書くこと
  • 仕事に関連した支払いであること
  • あまりにも割り勘メモが多いと、税務調査で疑われる可能性あり
  • まず再発行できるかを確認するのがベスト
 要は、領収書があることが基本であって、「例外的な処理として許される」ものと心得ましょう。

 また、サイトによっては「出金伝票」にメモすることを勧めているところがあります。

 たしかに書く項目が示されているのでわかりやすいのですが、個人的にはいちいち買わないでもいいかなーという気がします。

 「なに書くんだっけ?」をいちいち思い出すぐらいなら出金伝票にして、大丈夫なら適当なメモ用紙で済ませる、という分け方でもいいかもしれませんね。

パターン2:そもそも領収書が無い・出ない


 領収書が無いから、出ないから申告できないや…ということで、多くの人が経費として申告していないものがあります。

 たとえば、
  • 交通費(電車代やバス代)
  • 冠婚葬祭(ご祝儀や、お香典)
  • 自動販売機
 などですね。

 このうち、そもそも領収書がなくて当たり前なものなんかもありますよね。

 取引先に買ってあげた自販機のジュースとか、領収書もらいたいなどという場合です。

 これらにかかった経費も申告に漏れたら非常にもったいないので、忘れずに計上しておきましょう!

そもそも領収書が出ないけれど申告する際の注意点


 冠婚葬祭は、多くの場合招待状やお知らせなどの通知がくるかと思いますので、金額をメモした紙と一緒に、お知らせや当日もらった紙を取っておきましょう。

 自動販売機は、「のどが渇いたから自分で飲んだ」という場合はもちろんだめです(^_^;)

 会議でみんなに配る飲み物を買ったり、外で作業をしている社員に差し入れをしたり、という仕事に関係した支払いが対象となります。

 社内の人だけに配ったのか?社外の人へも配ったのか?で勘定科目が変わりますので、そちらも簡単にメモしておきましょう!

パターン3:領収書が無くてレシートしか無い


 次に、よくある領収書の疑問を解決していきましょう。

 これも勘違いされている方が多いのですが、領収書が無くてもレシートでまったく問題ありません。

 というより、むしろ最近のレシートは品物の名前まで記載されますので、「お品代」という領収書を別途書いてもらうより、証拠能力は高いのです!

 ちゃんとしたレシートがあるのに、わざわざ「領収書を書いてもらえますか」と言うのは手間ですし、全く必要ありません!

 この領収書文化は、レジがない時代、レジからレシートが出なかった時代の名残が残っているのでは、という気がします。

明細入りのレシートで申告を行う場合の注意点


 ただ時には領収書をもらったほうがいい場面もあります。

 領収書が必要な場面として、
  • レシートを出してもらえない場合
  • レシートはあるけど、お店の名前や日付が書いてない場合
 には店員さんにお願いして領収書を出してもらったほうがよいです。

 古いレジをつかった飲食店や露店なんかだと、結構このパターンが残ってます。

パターン4:宛名が「上様」だとダメですか?


 これも時々聞かれるお悩みなのですが、これはどういったお店(事業者)からもらったのかで変わります。
  • 小売業(本屋、文房具屋、雑貨屋などなど一般の消費者も買えるお店)
  • 飲食店
  • コインパーキングなど、一時利用の駐車場
 など不特定多数の人相手の商売の場合、宛名はなくても問題無しで、「上様」でも大丈夫というか、「上様」さえ必要ありません。

 逆に、BtoBの商売、事業者相手の商売だと、本当は宛名が必要ですので注意しましょう(消費税を納めている方の場合)。

申告書の手直しは今なら一瞬!パパッと追加を


 いかがだったでしょうか?

 ほとんどの皆さんは既に確定申告の準備が整っていることと思いますが(笑)、もしこれからという方は、上記の話をぜひ参考にしてみてくださいね。

 また、申告の準備が出来ている人で、上記の費用を申告書に入れ忘れていた!という方がいたら、申告前ならまだ間に合うので、ぜひ作り直しましょう。

 今なら、クラウド会計ソフトでパパッと一瞬で作り直せますのでご安心を。(執筆者:谷口 孔陛)

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