小さくても強くて楽しい高収益の零細企業がやっている4つのこと

 少ない人数で運営されているため、見た目にはあまり派手に見えなくとも、経営者や社員の一人ひとりが優秀で、外部とも良いお付き合いをしている高収益の零細企業が増えてます。これら小さくても強い零細企業が共通して実践している4つのことを、キミアキ先生が紹介してくださいます。

小さくても強くて高収益な零細企業が増える


 零細企業であれば10人未満でやっているんですけど、そんなに会社チックに運営しなくても、意外と楽しくやれる場合もあります。

 今日は、そういう「小さいままで続ける」経営のスタイルもあるんだよという話をやってみたいと思います。

 ちょっとですね〜、昔のスタイルと今の経営スタイルで随分変わったなぁと思うのは、「部下を作り育てていく」っていうよりも、基本的には外部も内部も「優秀な仲間を集めていく」っていうのにかなり近いんですよね。

 我々が会計事務所を始めた14年前とは、全くと言って良いほど経営のスタイルが変わってきてます。

 ですから、極端な話、部下の人数がどうのこうのとか、社員数がどうのこうのとかあんまり関係ないなと。

 小さくても、業績がグーーーンと伸びている会社が沢山あるんですよ。

 では、そういう会社さんは、どんなことをやっているのでしょうか?

強い零細企業の特徴1:社内外の優秀な仲間を増やしている


 業績が伸びている会社に共通するのが、先程も言及しましたけれど、内部も外部も優秀な仲間をどんどん揃えていくこと。

 やっぱり、そういうところが経営スタイルとして変わって来たので「自分の会社の規模」なんてあんまり関係ないなと感じています。

 零細企業ですから、「君は経理だけやっていればいい」とかは無いんですね。

 業務の区分けが無いものですから、みんなで協力してやらなければいけないんですね。

 ですから、強い会社ってのは人数が少なくても、考え方が「全員営業」なんですよ。

 何かしら営業のチャンスが有ったら、「自分も何か出来ないか・アプローチ出来ないか」って、そうやってみんなで助けあって行くんです。

 1にも2にも、強い零細企業を見ていると、やっぱりみんながそれぞれに、本当の意味でプロ意識を持って働いています。

 自分たちは小さくても本当に強い会社を経営出来ているんだ!って。

 そうそう、仲間ですからメンバー全員が、基本的にリーダーの考えで動くんですよ。

 リーダーが指示して動くのではなくて、みんながそれぞれリーダーシップを持って、「自ら考え自ら動く」ような会社、ここまでいければ、小さくてもこれは高収益企業になります 。

強い零細企業の特徴2:最初にストック収入を作ってる


 さて、残念なことに中小零細企業っていうのは、資本力が無いです。

 中小でも資本力無いんですよ、じゃあ、ましてや零細はってね…。

 大企業のやり方っていうのは大きな金額をガァッと動かしますので、一人当たりの付加価値も上がって、みなさんのお給料も高いんですね。

 ところが、零細企業となると資本力が無いに等しい。

 そうなると、仕方ないから知恵で勝負するしかないんです!

 じゃあ知恵でどうやって勝負をしていくかと言うと、まずは、これは守備と言っていいのかな??

 まずは守りの方から考えていくと良いと思います。というのも、潰れたらお終いですからね。

 1番最初に、知恵を潰れない売上に振分けていき、ストック収入を作ります。

 要するに、毎月お金が入ってきたり、あるいは毎月買ってくれるお客様がいたりとか、そういうビジネスモデルで入る収入をストック収入というのです。

 月額課金なんて言うのが1番分かりやすいでしょうかね。

 このストック収入の部分に、基礎的な売上を作ってしまうんです。

 あとは、このストック収入に乗る形で、フロー収入っていうものも積み上げていく。

 これは「臨時的な収入」と考えても良いし、「新規」と考えても良いですね。

 商売によっては新規を取れたら、その半分はストック収入になるとかありますから、商売の組み立ての中でとにかく、ストック収入をどうやって積み上げていくかっていうことに知恵を使うんです。

 そうすると潰れにくくなりますからね。

強い零細企業の特徴3:常に情報収集し変わり続けている


 次に、零細企業の1番イケてないところは、自分の会社の中だけを見ていたら、ほんと〜〜に何も見えなくなってしまうところです。

 それは、社長さんも従業員もみんな同じです。

 ですから、従業員はともかく社長さんは、俺は絶対外の世界をしっかり見ているぞ!っていう状態を作る必要があります。

 そうすると何が見えてくるかというと、私は地方の事情はあまり詳しく知らないのですが、東京ってとにかく周りのスピードが早いんですよ 。

 次から次にやり方が変わってきて「最近は、あの辺がアメリカと上手くやっているのかぁ」みたいに、トレンドや時代の方向性が分かっちゃうんですね。

 ところが、自社内を見ているとやり方が変わらないのが普通なんです。零細企業っていうのは。

 でも零細企業の方が、「変えよう!」と思ったら変えることが出来るんですね!

 小さくても伸びている会社の社長さんは、こうやって外部の情報をしっかり収集しながら、常に会社を変え続けています。

 これチョット微妙なんですけれども、会計事務所のビジネスモデルって、経理部を持てない沢山の会社さんのニーズがあって、その会社さんに会計事務所という「経理部」をシェアしてもらう形で成り立っていたりします。

 うちは110社くらい法人の顧問先がありますけれども、うちの会計事務所を経理部として、110社でシェアしてもらっている形になるんですね。

 それで私なんかが外の世界を見ていると、もう会計ソフトのクラウド化は絶対に避けられないですね。

 でもね、実務で110社くらいある会社さんのソフトをガラッと変えてしまうっていうのはね〜…やっぱりコレはなかなか大変です。

 まぁそこら辺で、社長の決断が必要なときがやってくると(笑)

強い零細企業の特徴4:大きくする必要がなければムリに会社を大きくしない


 それから、10年くらい会社をやっている社長さんたちは、外の世界を見ていると、こんなことを考えるようになります。

  「やっぱり零細のままでは駄目なんじゃないかな」

  「もう少しは大きくしておかなくてはいけないんじゃないかな」

 こういうことを考える時に、上手く行っている社長さん達は、じゃあ何のために会社を大きくするのかを、しっかりと創業メンバーであったりとか、従業員さんに説明できている。

 私なんかが、売上がある程度大きい方が良いと思うケースはですね、 たとえば産休とかを設けたりする時です。

 2人目が産まれたりすると、実際、2人の子供を保育園に預けてフルタイムで働くなんて、まず無理なんで。

 そうした時に、在宅の仕事を作ってあげられないかな…ってなったら、結局は売上の大きさなんですよね。

 売上の規模があれば、在宅の仕事でも何でも作ってあげることが出来るんですけれど、そのためには会社もある程度大きくしておかなくてはいけません。

 こういう説明が出来ているかっていうのは、凄く大きいです。

 あとは財布をバラしておく、分散ですね。分散することによって、雇用を守ってあげることが出来るんです。

 この会社を大きくしたいっていう時に、何のために会社を大きくするのか?

 社長がそれを上手く伝えきれないがゆえに、創業メンバーが喧嘩別れをする、っていうことがたくさんあるんですよ〜(笑)

 だいたい社長が「このままじゃイカン!うちももう少し大きくしていかないと!!」ってなった時に、女房役…、ナンバー2がですね、「イヤ、俺はそんなつもりでお前と会社始めたんじゃねぇから。」みたいな感じでね(笑)

 これでだいたい離れていく。まぁよくあることで普通の事ですからね。

 零細企業は、何のために会社を大きくするのか?っていう答えが出なければ、零細のままで良いんじゃないかと思いますよ。


 
(執筆者:タナカキミアキ)

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