リーダーにしたい歴史上の人物NO1!山本五十六の言葉はなぜ心に響くのか?

 歴史上の人物「理想のリーダー」ランキングで常にトップ争いに食い込む人物といえば、海軍司令長官・山本五十六です。彼の名言は、管理職やリーダーに受けいられるのはもちろん、多くの人の心を今でも打つものばかりです。なぜ山本五十六の言葉は私達の胸を熱くするのか?キミアキ先生が解説してくださいます。

今でも大人気。連合艦隊司令長官・山本五十六


 今日は、連合艦隊司令長官・山本五十六さんの言葉を、管理職やリーダーに立つ人間がどうやって役に立てられるか考えてみましょう。

 山本五十六さんは敗戦の将で、最後には輸送機で移動中に死んでしまったんですけれど、今でも色んな人に人気です。

 管理職であったり、はたまた子育て真っ最中のお母さんであったり、そういう方に五十六先生の言葉が人気でございます。

 歴史上の人物で誰が理想のリーダー?ってランキングやると、大体上位に入ってくる人で、西郷どんや坂本龍馬あたりとも渡り合って、たまに一番人気だったりしますよね。

言うは易く行うは難しな名言“誉めてやらねば人は動かじ”


 それで、五十六先生の言葉で一番有名なのは、まずこれですね。

  “やってみせ 言って聞かせて させてみて 誉めてやらねば人は動かじ”

 とかね〜っ!実に良いことを言ってるんです。

 よくよく考えてみると、まずやってみせるって面倒くさいですよね。

 それだけじゃない。

 言って聞かせ頭で覚えさせて、そしてやらせてみて、さらに!ここが素晴らしいですよね、「誉めてやらねば」です。

 誉めてやって、そこまでやって初めて人は動くんだという教訓ですね。

 この最後の言葉をズバッと、管理職教育の1番最初にネタとして使うわけですよ。

 そうするとみんな「はぁ…(疲)」みたいなね、そんな感じでため息をつくわけですよ。

 言うは易く行うは難しとは、正にこのことなんです。

 この「誉めてやらねば」っていうのをですね、出来る人はよく汚いやり方でやるんです(笑)

 たとえば、毎朝10時とか、決まった時間になったら誰か部下を誉めて回るとかね。

 でも、毎日誉めるっていうのは、欠点を探すことより大変なんですね。

 そんな大変なことを毎日毎日続けていくのが、「良い管理職」ということで、とにかく誉めときゃ何とかなるし!みたいな感じのことも、実は五十六先生から来ているんですね。

自分自身も実践者であった名言「男の修行」


 それからもうひとつ、五十六先生の言葉で人気があるのが、「男の修行」です。

  苦しいこともあるだろう。

 云い度い(言いたい)こともあるだろう。

 不満なこともあるだろう。

 腹の立つこともあるだろう。

 泣き度い(泣きたい)こともあるだろう。

 これらをじっとこらえてゆくのが

 男の修行である。

 あるだろう。あるだろう。あるだろう…あるだろう?全部分かっているからな。俺分かっているから。

 だけれど、これらをじっと堪えていくのが男の修行なんだよ、って。

 分かってる。こういうことってあるよね、こういうこともあるよね、っていう感じで、五十六先生はひたすら相手に同調しながら、最後はやろうぜ!って言うんです。

 五十六先生という方が、如何に人たらしであったのかが、もぅハッキリする一文ですね。

 究極の人たらしだから、これが女性にもモテるわけです!だから、五十六先生はアソビもとにかく派手だったらしいです(笑)

 ただ、五十六先生は、ただの人たらしだっただけじゃなくて、自らも「男の修行」の実践者なわけです。

 というのも、五十六先生は若い頃、アメリカに住んだことがあって、全土を旅しています。

 だから、アメリカがどれだけ強いか知っていたんです。

 なのに、皆はそんなこと知らないからどんどん戦争に突っ走っていく中で、五十六先生は最後までアメリカとの戦争に反対します。

 「国力10倍のアメリカと戦うなんて無理ゲーですっ!」って、陸軍の東條さんらともやり合って、「このビビりがっ!」とこけおどされます。

 でもね、最後には反対していた戦争で、乗り気じゃなかった海軍司令官やらされて、先陣切ってアメリカ海軍と戦うわけです。

 真珠湾攻撃を仕掛けた後、大好きだったアメリカに、「卑怯者のイソロクっ!」なんてレッテルも貼られます。

 それでも、これらをじっと堪えていくのが男の修行なんだよって、実践している五十六先生に言われれば、誰もが納得するのは当たり前ですよね。

なぜ山本五十六の言葉は私達の心に響くのか?


 なぜ、これほど五十六先生の言葉が響くのかって考えた時に、彼は結局「命懸け」なんですね。

 その命懸けの部分というのは、やはり本当に戦争の状態じゃないと、なかなか出なかっただろうと。

 山本五十六連合艦隊指令長官が、とにかく人を動かすということについて、どれだけ気を使っていたかと想像すると、その努力には本当に頭が下がります。

 ですから、彼の言葉を見ると、これは中小零細企業の社長さんでも、ここまで従業員に自分が言えるかな?って考える、とても良いきっかけになると思うんです。

 そこまで思って、気持ち込めて、俺は部下に言ってあげられるかな?っていうところで、なかなか出来ないと思うんですけれど、まずはやってみることに価値があるんじゃないでしょうか。

 本なんか読めば五十六先生のことが大体分かりますので、興味が湧いたらAmazonとかで探してみてくださいね。


 
(執筆者:タナカキミアキ)

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