湯川秀樹もエジソンも実践した問題解決につながる自らへの質問作法「追想法」とは?

 私達は皆、日々問題に追われています。しかし、これらの問題を解決する能力こそが人間を成長させるものであり、テクノロジーが進化する未来にますます私達に求められる能力です。自らの頭脳を最大限に活用し、問題を解決していく上で重要なのが、自らに対する適切な「質問」です。湯川秀樹やエジソンも実践していた、問題解決につながる自らへの質問作法「追想法」をご紹介します。

日々起こる問題の最適解は適切な質問により生まれる


 私達の周りには日々、解決すべき問題が次々と生まれます。

 今日は何も問題など起こらないだろうと考えていても、思わぬところから面倒な問題が発生します。

 毎日が問題に追われているように感じることは度々です。

 こんな日々を送っていると、いっそのこと問題がない世界に行きたいなと考えることすらあるかもしれません。それはやむを得ないことです。

 一方で、「問題というものは、あなたを引きずり降ろしたりしない。風と同じで、飛ぶためにはなくてはならないもの」という格言があるように、問題を解決することで、私達は人間としての幅を広げ、様々なことを実現できる可能性を高めていけるのも事実です。

 問題から逃げるのではなく、「なぜこのようなことが起きたのか?」「どうすれば上手くいくのか?」という質問に対する最適解を見出すことで、私達は常に成長していきます。

頭脳を活用するため自らに質問する力がますます求められるようになる


 世界一頭の良いコンピュータは?と聞かれた時、みなさんはどんなコンピュータを思い浮かべますか?

 スーパーコンピュータでしょうか?量子コンピュータでしょうか?

 たしかに、これらのコンピューターや、これらのコンピュータを活用したAIやRPAは近い未来、私達人間に代わって多くの作業をこなし、問題解決の一助を担うようになるでしょう。

 一方、過去のデータが無くともゼロから始める仕事、心のぬくもりを感じるコミュニケーション、複雑な人間関係を調整して始める新しいチャレンジを始める時、私たちが頭脳を適切に使うニーズはますます高まることでしょう。

 そういう意味では、今後もしばらく、人間の頭脳こそ世界一頭の良いコンピュータと言えます。

 そして、私達の頭脳を最大限に活用するうえで鍵となるのが、「質問」です。それはさながら、コンピュータに入力するコマンドのようなものです。

湯川秀樹博士らが実践していた「追想法」という質問法とは?


 脳は質問されると、そのことについて一生懸命考えます。

 本を読む場合もそうです。その本から何を得たいのかを明確にしておくと、そのことについて書かれている部分に自然に目が行きます。

 自分は何を知りたいのか、どんな課題を解決したいのかを自分に質問しておくと、脳は常時そのことを考えます。

 では、いつ質問すればいいのか?というと、寝る前の時間が最も良いと言われています。

 睡眠には「頭の中を整理する」という役割があります。

 睡眠中に頭の中に乱雑に存在していた情報が整理されて、朝、目が覚めた瞬間に問題解決法がポンと浮かんでいることがあります。

 「翌朝目覚めたときには問題の解決法を思いついている」と強く念じて眠りにつくと、翌朝朝にひらめきが起きやすいそうです。

 これは「追想法」と呼ばれており、湯川秀樹やエジソンなども、この方法を活用していたと言われています。

 質問を紙に書いて、それを枕の下に敷いて寝る人もいるそうです。

 「なぜ?」「どうしたら?」という自らへの問いかけの重要性が高まるこれから、ぜひ実践してみることをオススメします。(執筆者:大場保男)

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