「人生100年時代」に突入した日本65歳から始まる「人生の黄金期間」

 男性の平均寿命が80歳を超えたのは2014年のこと。これで男女とも80歳を超えとなり、日本は「人生100年時代」にいよいよ突入しました。65歳で退職したら待っているのは「子育ても終わり趣味に没頭できる穏やかな日々」というのは過去の幻想。60歳を過ぎてからの15年間はライフワークに最適な「人生の黄金期間」となります。

日本は「人生100年時代」にいよいよ突入した


  男性1位は横浜市青葉区

 4月18日の見出しです。

 えっ、何のこと?と思って読んでみると「全国市区町村別の平均寿命」の記事でした。

 ちなみに女性の平均寿命の1位は沖縄県北中城村で89.0歳。長寿は沖縄と聞けば、やっぱりと納得できますね。

 先ほどの新聞の見出しは男性の方で1位は横浜市青葉区の83.3歳という結果でした。

 青葉区と言えば、田園都市線のたまプラーザやあざみ野などの駅があり、私にもなじみ深い地域ですが、なぜ青葉区なのかは厚労省の担当者も分からないそうです。

 ちなみに2位は、川崎市麻生区で83.1歳。3位は、東京都世田谷区で82.8歳。4位は、横浜市都筑区で82.7歳でした。

 男性の平均寿命が80歳を超えたのは2014年のこと。これで男女とも80歳を超え、日本は「人生100年時代」にいよいよ突入しました。

時間があれば趣味に没頭して楽しめる!という幻想


 さて、仮に100歳まで生きるとすれば、85歳くらいまでは余裕綽々(しゃくしゃく)で働けそうです。

 たとえば、1日に8~9時間の自由時間があったとすると、60歳で定年退職してからの25年間で約80,000時間になります。

 これ、実は、20歳から働きはじめて、60歳まで40年間会社勤めした総労働時間より多い時間です。

 この長い老後の時間をあなたは、どうやって過ごしますか?

 あなたが忙しい毎日を送っている人ならば、時間があれば思う存分、好きな釣りやゴルフをやりたいなと感じるかもしれません。

 引退して時間が出来たところで奥さんと一緒に、時間のことなど考えず、世界一周旅行に出かけたいと思うかもしれません。

 ところが、いざ定年になって自由時間が増えても、かえって好きな釣りやゴルフに行く時間は少なくなったという人が多いそうです。

 時間を作って行くから楽しいのであって、いつでも行けるとなると有難味が減ってしまうのかもしれません。

夫婦2人の老後の生活費はいくら掛かるか?


 平成28年の生命保険センターの調査によると、夫婦2人の老後の日常生活費は最低で月額平均22万円、ゆとりある生活を送るには35万円必要だという結果でした。

 これに対して、65歳以降に受け取る年金額は月額平均22万円、これは最低限の生活費と同額です。

 でも、退職金を取り崩せば、多少はゆとりがある生活が出来るだろうと思われるかもしれません。

 ところが、病気への備えも必要です。

 家のメンテナンスもあるし、冠婚葬祭のお付き合いもあるでしょう。たまには夫婦で旅行にも行きたいですよね。

 ところが、これらを実現するには、今までだと退職金を充てるしかありませんでした。

 定年後、毎日家に居て、何もすることがない人は早死にしたり、痴呆症になる確率が高いとも言われています。

 老後は悠々自適な毎日を過ごしたい。

 このように思っていても、心や身体はいつまでも活動することを求めています。

 金銭的にも悠々自適な生活が出来たのは先輩たちの世代であり、これからの世代はそんな余裕はなくなり、ますます厳しくなっていくでしょう。

60歳を過ぎたら始める「人生の黄金期間」


 あなたは今まで一生懸命働いて来ました。

 毎朝、満員電車に揺られ、嫌な上司のご機嫌をとったり、得意先の無理難題にも応えてきました。

 生活のためには働かざるを得ませんでした。生活のための仕事、これは“ライスワーク”と呼ばれています。

 これからの長い人生は、自分が本当にやりたいことをやって、自分の使命を果たしていく。

 このような仕事は“ライスワーク”に対比する形で“ライフワーク”と呼ばれています。

 しかし、“ライフワーク”はボランティアではありません。しっかり収入も確保しながら、やりたいことをやる。これが“ライフワーク”です。

 作家の本田健さんは、「ライフワークとは、自分のなかにある《幸せの源泉》から湧き出る情熱を使って自分らしさを表現し、まわりと分かち合う生き方」と述べています。

 人生の黄金期間は60歳から75歳までの15年間です。

 睡眠時間や食事時間などを除くと、1日の自由になる時間は11時間、これが最長の15年間で計算すれば6万時間あります。

 21歳から60歳までの40年間の総労働時間は8万時間だと言われているので、6万時間がいかに多くの時間かが分かりますよね。

 しかも、この6万時間はそれまでの8万時間とは異なり、家族を養う責任など多くの制限要因が大抵軽くなっていきます。

 好きな釣りやゴルフもやりながら、たまには夫婦で旅行にも行く。その原資は自分がやりたいと思った仕事をすることで産めば良い。

 最高だと思いませんか?

 人生は後半戦が勝負です。終わりよければすべて良し!(執筆者:大場保男)

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