【今更だけど】顧客生涯価値を伸ばしたほうが良いのはなぜか?

 顧客生涯価値とはマーケティング用語の一つで、企業にとってある一人の顧客が生涯にわたって企業にもたらす価値の合計です。そして、マーケティングの施策を実行するにあたっては、この顧客生涯価値を意識しているか否かが、利益を大きく左右します。なぜ、顧客生涯価値を高める必要があるのか?顧客生涯価値の上げ方は?など初歩的な知識を解説いたします。

マーケティングでも最も重要な数字の一つ「顧客生涯価値」


 『マーケティングとは数学と心理学である』

 こういったのはダン・ケネディなんですけれども、数字のからくりを知る事でマーケティングはもっともっと楽しくなります。

 そこで今日は、マーケティングにおいて今更感はあるけれど、絶対に抑えておいたほうが良い数字、「顧客生涯価値」について解説したいと思います。

 顧客生涯価値とは、お客様一人、平均一定の期間内、例えば「1年間の中で一体いくらの粗利を貴方にもたらしてくれるのか?」を表す数字です。

 意外に貴方の競合はこの数字を意識していないはずですから、知るだけでも随分違うと思います。

 しかも、顧客生涯価値の意味とからくりを知ると、アイディアも次々と生まれてきます。だから売上も確実に上がってきますよ。 

なぜ顧客生涯価値を伸ばす必要があるのか?


 まず、具体的に、顧客生涯価値を伸ばす施策をご紹介しましょう。

 例えば、最近のスタバに行くと「お食事も如何ですか?」と聞かれたりしませんか?

 マクドナルドに行くと、「ポテトも合わせて如何ですか?」なんてよく聞かれますよね?

 スーパーやコンビニに行くとレジの周りに「身の回り品」、ちょっとしたものがたくさん置いてありますよね。

 実はこれ、全て顧客生涯価値を伸ばす為の施策なんですね。

 では、なぜ顧客生涯価値を伸ばさないといけないかというと、理由は簡単です。手元に残る利益が大きく変わるからです。

 『顧客生涯価値』が小さかったら、苦労して新規のお客様連れてきても、手元に残るお金は少なくなります。

 一方で、『顧客生涯価値』がちゃんと一定の基準を満たして、更にそれを大きく伸ばすような試作を取る事が出来たら、広告で一人のお客さんを連れてきても、手元に残るお金は大きくなります。

 つまり、顧客生涯価値を意識しているかいないかは、お風呂に水を入れる時に、穴のあいたコップで水を汲んでお風呂に入れる人と、頑丈なバケツで水を汲んでお風呂に入れる人くらいの差を生むのです。

 『顧客生涯価値』の数字というのは『売る仕組みの強さを表している数字』でもあるんですよね。

ヒントは「単価と頻度」顧客生涯価値を伸ばす施策


 顧客生涯価値の設定期間は業種や業態、サービス内容によって変わります。

 お客様を獲得したら一人平均1年間でいくら貴方に力をもたらせてくれるのか?10年間でどれくらいのお金を支払ってくれるのか?といった具合にです。

 この『顧客生涯価値』を決めるのは、1回あたりの利用単価と利用回数、つまり「単価と頻度」です。

 これを考えると『顧客生涯価値』を増やすアイディアが色々考えられますよね。

 例えば、マクドナルドやスタバのように会計の時の声がけをルーチン化して、関連商品・上位商品を売ることができます。

 これは、「クロスセルとかアップセル」とかと言います。

 あとは、商品ラインナップの中に超デラックス版を追加してみるのも顧客生涯価値を増やすと、一定の割合で必ず買う方が出ます。

 超デラックス版は粗利率が高いですから、『顧客生涯価値』もいっぺんに大きな割合で改善されます。

 あとは、「毎月××日に必ずお届けします」みたいな、継続課金(サブスクリプション)のサービスを導入してみるのも一つの手です。

 『次に何をする』『次に何を売る』

 これをちょっとおまじないにしながら、『顧客生涯価値』を大きく伸ばしていくアイデアを出してみてくださいね。


 
 (執筆者:高橋 伸夫)

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