春は何故か眠い…そんな貴方にお勧めしたい自律神経の整え方

 桜が咲いたあとは、いよいよ本格的な春の到来のはずが…なぜかダルくて頭もボーッとする。この状態は単にやる気がないのではなく、季節の変化による生理的現象として貴方の体に現れているものです。気候の急激な変化に体がついていけない場合、一体どのような対策を取れば良いのでしょうか?春先に自律神経を整える10の方法をお伝えしたいと思います。

爽やかな春なのに気だるさを覚えるのはなぜ?


 いよいよ季節は春ですね。

 春はとても爽やかな季節ですが、一方で多くの人が体調を崩しやすい季節でもあります。

 桜の花見の季節は「花冷え」と言って、けっこう寒い日々が多いので、会社の花見でお酒を飲んでそのままの勢いで寝てしまい、風邪をひく人も多くいらっしゃいます。

 4月に入って新学期が始まり、学校だけではなく会社にも新風が吹いてきますが、昇格社員や新入社員以外は、何となく眠かったり気だるい感じを覚える人が多いのです。

 これは冬から春への季節の変化による生理的現象なのですが、会社の屋台骨を引っ張る社長や幹部達が、あくびを抑えているようでは、下の人間が困ってしまいます。

 どうすれば、春の体調不良を乗り越えることができるのか?本日はご説明したいと思います。

「春眠暁を覚えず」に隠れているもう一つの意味


 中国の詩人、孟浩然は詩『春暁』で 「春眠暁を覚えず、処々帝鳥を聞く」 と歌いました。

 春うららの寝心地の良さでなかなか起きれず、寝床の中でさえずる鳥達の鳴き声を聞いている状況が自然で気持ちが良いと、巷ではこの詩は解釈されています。

 これは生理学的に言えば当然の現象なのですが、「朝だけでなく、午前中又は一日中も眠くて気だるい体調でいるのかもしれない」と解釈することも可能です。

 なぜこのような現象が起こるかと言うと、4月初めの「花冷え」までは気温が低いので、肌も筋肉も冷えていて、体中の血管も緊張しています。

 更に、春になり気温が上昇すると、「血管が緩み、柔らかくなり」血液が下半身に集まりやすくなり、大脳の血液が不足し、眠かったり、貧血気味になるのです。

 この生理現象がもっと極端に現れるのが、北欧の国々に住む人々です。

 1年間の3分の2は涼しい又は寒い北極圏の人々は、長い期間血管が緊張しているので、血管の疲労と老化が進み、脳血管疾患に羅患する確率も高まります。

 更に北欧の人々は、外気が寒いので体温を温めるために、アルコール度の高いお酒(ウォッカなど)を飲み、喉や胃腸の粘膜を傷つけてしまい、喉頭がんや胃癌をひきおこします。

 頻繁な飲酒によりアルコール中毒が多くなった結果、これらの国々ではお酒の販売の時間規制をしていて、日曜日の夕方以降はスーパーでもお酒を販売しなくなった程です。

 四季がはっきりしている日本では、これほど極端な気候の変化を体験しませんが、やはり冬から春ほどの気候変化は体に大きな影響を与えるのです。

暁を覚えずの状態になる犯人は自立神経の乱れ


 人間も他の動物も、体の内臓や諸機能が正常に機能するようにしているのは、「自律神経」という神経の働きによるものです。

 春になると、この自立神経がやられてしまう人が多いのです。

 読んで字のごとく、脊椎動物の意志とは無関係に、内臓・血管・腺などを自動的に調節する神経系で、不随意神経系とも言われています。

 そしてこの自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」からなり、その殆どが一つの臓器や器官に対して、お互いに拮抗的に作用しています。

 「交感神経」は活動力を高めるために働きます。

 仕事や運動をする時に、血圧や血糖を高め、皮膚や内臓の血管を収縮させて血流を脳や筋肉に集め”戦闘態勢”にしてくれるのです。

 「副交感神経」は反交感神経で、興奮状態になると、末端からアセチルコリンを分泌させて心臓の働きを抑制し、”安静状態”に近づけようとします。

 人間が健康で正常な日常生活を送り、仕事や奉仕活動で社会貢献するためには、この二つの神経が様々な状況においてスムーズにしかもバランスよく切り替えられる必要があります。

 この働きがスムーズにいかない時は「自律神経失調症」という病名が付けられ、春はこの病気にかかる人が多いのです

春に自立神経を健全に保つ10個の方法を知ろう


 それでは「春眠暁を覚えず」の季節に、自立神経を健全に保ち、元気ハツラツで仕事するにはどうしたらいいでしょうか?

 以下、10個の「春に自立神経を健全に保つ方法」を時系列でご紹介します。

1)朝は無理に起き上がらない


 朝は起きにくいので、無理に起き上がらず、寝たまま背伸びをします。

2)深呼吸を10回して起き上がる


 両手を握って頭の上に伸ばし、両足首は90度に曲げて踵(かかと)を突き出しながらゆっくり息を吸います。10回ぐらいおこなってみて、エネルギーが入った感覚が起きたら起き上がります。

3)朝は温め(ぬくめ)のお風呂に入ろう


 温めのお風呂に10分ぐらい入り、出る前に洗面器に汲んだ冷水を両手ですくい、頭に10回かけてから残りを一気に頭にかけます。再び洗面器に水を汲み、タオルを浸してから絞り、首の後ろと背中をこすります。

4)出来ればアロマ液をハンカチに垂らして持ち歩く


 家を出る時に、ハンカチにアロマ液(ペパーミントとローズマリーを1:3)を1滴たらして、臭いを嗅ぎます。※ハンカチは頻繁に嗅ぎましょう。

5)歩く時は足と膝の裏を刺激し歩く


 なるべく早歩きで足の裏(湧泉)と膝の裏(委中)を刺激しながら、会社まで工夫して沢山歩きます。

6)戦闘態勢に入ったら腎臓を刺激する


 会社に着いたら、両手の握りこぶしで腎臓部を100回叩きます。

7)眠くなった時はツボと呼吸で臨む


 仕事中に眠くなったら枕の当たる骨(玉枕)を両指で100回叩きこめかみを両親指で押し、会議や商談の前には逆腹式呼吸(吸いながら腹を凹ませ、吐きながら腹を出す)をしてから望みます。

8)ランチは軽め・夕食は身体を温める


 ランチは軽めにし、カフェイン入りのコーヒーか紅茶を飲み、夕食には4N1S(ニンニク・ニンジン・ニラ・ネギ・ショウガ)の1品を必ず入れます。

9)夜も温めのお風呂でツボマッサージ


 温めのお風呂にゆったり入り、おへそと恥骨の中間点関元(丹田)を中指と薬指を揃えて立て、腹中に100回押し込みます。

10)たっぷり12時間は眠ろう


 大脳の為に12時前には眠ります。
 
 これで”春眠を覚えない社長”が元気ハツラツなスタートダッシュを飾れます。

 最初から全て完璧にやろうと思わずに、やれることからチャレンジし、少しずつ取り入れてみましょう!

※[日本アロマリンパセラピー協会門馬ひろみ会長の指導](執筆者:佐藤 明紀良)

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