中小企業はダサくてしょぼい販促・告知を行ったほうが売れやすい

 ホームページやチラシ、DM、いずれを見ても最近は洗練されたキレイなデザインの販促物ばかりです。しかし、これらの多くは情報量が少なかったり、「見飽きたもの」と消費者にみなされやすくなっています。実践の現場では、その対極にある、ダサいもの、手作り感のある販促物のほうが消費者の心を掴みやすくなっているのです。

皆がキレイな販促物を作るならダサくてしょぼい販促物を作ろう


 今回はダサくてしょぼい感じが売れるという話をしてみたいと思います。

 具体的に何の話をしているかというと、ホームページやチラシ・DMの話です。

 たぶん、貴方の業界でもプロに作ってもらったような、キレイなホームページやチラシ・DMを作る会社が増えていると思います。

 今の時代、皆がキレイな方向に行ってるのですが、その対極にある、ダサいもの、手作り感のある販促物を作ったほうが、反響が取りやすくなっているんです。

 その理由をご説明していきましょう。

ダサいホームページで凄い集客をするペットショップ


 まず、私が言うダサくてしょぼいって、どんなイメージなのかを共有すると、2000年台の初め頃にホームページビルダーで、皆ホームページを作っていましたよね。

 今考えると、あれって素人感があってダサくてしょぼいのですが、ああいうものが注目されやすくなっています。

 というのも、ホームページビルダーで作ったホームページって、物凄く情報が詰め込まれているものだったりしましたよね。

 キレイなホームページは、あまりに顧客にキレイなデザインで魅せようとしすぎて、販売するのに必要な情報がとにかく少なかったりします。

 私の顧問先でペットショップを運営している会社さんがあるのですが、その会社のホームページはとにかくダサいんです。

 でも、ものすごい来店があります。

 そこのホームページを見てお客さんが来てくれるのですが、ペットの写真など情報は頻繁に更新しながら、文字のフォントが昔風で洗練されていなくて、安心感や親しみやすさを感じさせるのでしょうね。

チラシやDMを作るなら手書きが断然お勧め


 次にチラシやDMの話ですが、今の時代に限定すると、私は敢えて手書きのチラシを作ることをオススメしています。

 これも私の顧問先で実践してまして、実際に反響を取っています。

 というのも、大手・中小を問わず、多くの企業からチラシがポストに投函されますけれども、どれをとってみてもパソコンのソフトで作っているのが一目瞭然ですよね。

 消費者の立場から見ると、キレイなチラシって見飽きているので、すぐに捨てたくなります。

 そこで一際目に付くのが、手書きのチラシなんです。

 手書きのチラシって、書いた人の気持ちが伝わりませんか?

 一生懸命さだったり、その人の個性だったり、そういうパソコンの文字だと伝わりにくい「気持ち」がお客様に伝わります。

ダサくてしょぼいはあくまで手段に過ぎない


 ここまで、「ダサくてしょぼいホームページやチラシ」と「キレイなホームページやチラシ」という正反対のものについて、ダサくてしょぼいのが良いという話をしてきました。

 ただし、ここで勘違いしてはいけないのが、「今の時代」はダサくてしょぼいほうが反響を取りやすいのであって、「ダサくてしょぼい」はあくまで時代に沿った手段でしかないということです。

 時代がどうなるかはわかりませんけれども、ダサくてしょぼいものを皆が作って標準になったら、自分達は逆にキレイなものを作ったほうが良いという選択肢も現れます。

 つまり、時代の流れでどちらが主流派なのかということを考えて、自社のマーケティング戦略を決めていただきたいのです。

 主流の9割がパソコンソフトを使った販促物を作るなら、自分は逆を行くと。

 大小問わずライバル達と戦う場面で、資本も人材も限られた中小企業はとにかく目立たないといけません。

 大衆が右を行くなら、自分は左を行く。それくらいの逆張り戦略で販促を考えてみては如何でしょうか?


 
(執筆者:島倉大輔)

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