会社設立初年度の利益予想は月に50万円⇒1人社長の役員報酬はどれくらいが適切?

 社長になれば、自分の給料(役員報酬)を決められるのは自分だけになります。もしも、粗利予想が月に50万円だったとしたら、あなたは自分の役員報酬を月額何円に設定しますか?会社を拡大するために資金調達を目指す人、自分のペースで会社を運営する人、それぞれの場合でその金額は変わるようです。

社長になれば自分の給料を決めるのは自分だけ


 株式会社や合同会社などの新設法人数は年々増加傾向にあり、昨年は11万社を超える会社が新設されました。

 独立して新たに会社を設立すると、自分がそのまま代表取締役になるパターンがほとんどでしょう。

 会社員時代と違い、自分が社長となればすべてを自分が決めなくてはなりません。

 自分の給与=役員報酬の金額もその一つです。

利益予想50万円/月の場合に50万円の役員報酬はありか?


 従業員であれば毎月の基本給に残業代や歩合給、利益が上がればボーナスなど、月々の支給額に変動があるのが常です。

 しかし、役員報酬となると年度の初めに決定して、原則として年度中は変更ができません。

 たとえば、初年度の利益予想を見積もった時、色々と経費を差っ引いて、月平均50万円の利益が見込めるとします。その場合、役員報酬額をいくらにすべきでしょうか?

 会社の経営方針は社長自身の考え方によります。

 なるべく会社で利益を出さずに、そのほとんどを自分の報酬としてもらいたいというのもその一つです。

 そうすると、役員報酬額を50万円にすれば、会社利益は0円となってちょうどいいと考えるところですが、注意が必要です。

 役員報酬の設定をすれば会社で社会保険に加入することになり、その分会社経費が増えてしまいます。

 社会保険料の会社負担分はおよそ14~15%なので、50万円では7万円以上の経費(法定福利費)が追加されるため、会社は赤字となってしまいます。

 社会保険料負担まで見込めば、役員報酬額は43~44万円程度ということになります。

現実には事業拡大の目標を踏まえ人件費率を50%程度にするケースが多い


 会社で赤字を出したいと考えるのであれば、役員報酬は大きく設定します。

 この場合、社会保険料だけでなく、個人の所得税や住民税も大きくなることを忘れてはいけません。

 銀行から借り入れをしたい、会社をどんどん大きくしたい、といった意向があれば、ある程度会社に利益を残さなくてはいけません。

 またもう一つの観点として資金繰りもあります。

 利益が上がるときは資金の先出が多くなり、資金繰りがどうしてもショートしがちになります。

 利益見込みのほかに資金繰りまで含めて考えることが重要になります。

 通常は、これらを踏まえて月の利益が50万円程度、かつ自分一人で会社を運営しているならば、利益の50%程度、25万円以内に役員報酬を設定するケースが多くなります。

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