あなたのお客様はお金持ちですか?一般大衆に嫌われても顧客選択で妥協するな

 事業を始める時、1番最初に考えるべきは商品・サービスというのが常識ですよね。しかし、キミアキ先生は商品・サービスを考える前に、どのような顧客層を狙った仕事をするべきか考えるように勧めます。なぜ、お金持ち相手の仕事を選択すべきなのか?その際に生じる障壁にはどんなものがあるのか?実践してきたことを踏まえて解説してくださいました。

商品・サービスの選択前に顧客を選択しよう


 今日は、「あなたの顧客・お客様はお金持ちですか?」という問いかけをやってみたいと思います。

 というのも、中小零細企業を長らくやっていて、なかなか利益が思うように上がらないなら、「顧客層にもしかしたら問題があるのかもしれない。」っていうのを考えなければなりません。

 事業を始めるにしても、普通は「1番最初に考えるべきは商品・サービス」とかいうことから考えていきます。

 ところが、私どもは実務上、あなたのお客は誰か?私の顧客は誰か?っていう感じで必ず客層を先に決めてしまって、その客層が求める商品・サービスを考えていくという順番でやっております。

 なぜ、顧客や客層を決めてから商品・サービスを考えたほうが良いのか、以下ご説明しましょう。

人口の5%以外は見込み客にすらなりえない


 私共(あおば会計)のパターンですと、人口の5パーセントしか見込み客にすらなり得ないという割り切りのもとに、実は全てのメッセージを発しているわけでございます。

 これは私の奥さんが言う正規分布の話なんですが、正規分布で1σ(シグマ)というと全体の66パーセントくらいですね。

 そして2σは95パーセントくらいを表します。

 残りの5パーセントの事を、うちの奥さんは2σの外の人って言うんですよ(笑)。

 うちの商売は事業者相手であり、それも10年持つ会社をきちんと経営できるような事業者の方というのは、元々の見込み客で2σの外の人でございます。

 チョット言い方悪いですけれど、そういうふうな方を割り切りとして顧客に設定しております。

メイン顧客は世帯年収で1,500万円から2,000万円の割り切り


 もっと突っ込んでいきます。

 1番分かりやすいのがですね、うちのお客様で1番ありがたいお客様というのが、意外と社長自身の年収で明確にあります。

 正確に言うと社長の世帯年収がどれくらいかで、ターゲットとなるお客様がいらっしゃいます。

 大体家族で分散したりして、社会保険料とかを節約しながら、尚且つ税金も極力抑えていくという形で、そうすると世帯年収で1,500万円から2,000万円ぐらいあれば、これは間違いなく優良顧客になります。

 実はこのへんまで世帯年収が行くだけで、もう社長がうるさいこと一切言わないんですよ。

 効果の大きい節税だけやってればいいしね、ちっちゃい細かい細かーい重箱の隅を突っついたような話なんて一切出ません。

 それには世帯年収がかなり大きな要素を含んでいるわけで、会社もそんなに大きくなくて良いんです。

 会社はそんなに大きくなくて良いし、粗利益で言うんだったら5,000万円から1億円あれば、社長の世帯年収は大体この程度は十分に達成できます。

儲けている経営者は効果の大きな財テクしかしない


 特に最近は、会社をあまり大きくしないで、小さくても強い会社をしっかり作る!という依頼が多いので、意外とここら辺の世帯年収で上得意のお客様が出るんですね。

 確かに、上得意の人達は、役員報酬の設定、社長のお給料はいくらで家族に給料をどんなふうに分散して、社会保険料をどう極限まで抑えていくかってこととか、そういうことも全体的に考えます。

 でも実際には役員報酬ありきで、あとはやることは簡単で、小規模共済っていって社長退職金で節税して、それからセーフティー共済で会社に無税で800万円まで貯めます。

 今だと2017年の3月に終わると言われていた節税保険がまた延びまして、これが結構売れています。

 これはちょっとね〜、周りに信頼できる儲かっているブローカーみたいな方がいないと、なかなかやりにくい部分はあるんですけど、減価償却資産になる絵画とか美術品なんかも皆さん買ってますよね。

 こうやって、上得意の人達は基本的にシンプルで効果の大きなことしかやりません。

 私どもの事務所も10月末の決算でございまして、節税保険はというと、今度は私は生きる方に掛けるらしいです(笑)。

 今度は「生きて儲かる」保険らしいですネ。

 絵画・美術品については、お客様でとても儲かっている画商さんがありますので(笑)、そちらにお願いすることになっています。

 こんな感じで節税も効果の大きいものだけをやるのが、プロの税金屋さんと思った方が良いですね。

お金持ちを相手にするなら無料のお試しは必要無い


 それでなぜお金持ちさんの行動パターンがこうなるのかというと、「無料のものは無価値である」みたいな感覚なんですよ。

 「無料で儲かったー」っていうのは、殆ど話の中で出てこないんですね。

 対価をきちんと払って儲けていくっていう考え方の人なので、従業員さんの給料も高ければ高いほど良いって、そういう考えで動いています。

 商品・サービスをこちらが組み立ていくときも一切の「無料」が必要無いんですよ。

 我々の業種だったら無料相談とか、無料お試し〜とか一切必要無いです。

 ですから、みなさんも商品・サービスを組み立てていくときに、金持ち企業や金持ち個人を相手にする時に、無料のものは必要無いと思って良いですね。

お金持ちへのメッセージは一般大衆に嫌われる


 お金持ちさんに対する…特にインターネットでのメッセージは、今新規のメッセージを発していく方法で 1番安上がりで効率的です。

 ただ、金持ち企業・金持ち個人へのメッセージっていうのは、一般大衆には嫌われます。

 一般大衆の方に嫌われてナンボですよ。

 特にネット上だと「嫌儲(けんもう)」といって、これ造語なんですけれど、儲けることが本当に嫌いで嫌いでしようがない!っていう人が沢山いて、それがいわゆる「ネットの声」になっちゃうんですね。

 じゃあ、ネットの声に真実があるの?って考えたら、ほとんどがやっかみなんですよ。

 そのやっかみに対して、自分たちが何をするべきかって言ったら「無視」で良いんです。もうスルーで良い。

 どうしても金持ち向けのメッセージを発しなければいけない、メッセージを発したら絶対に一般大衆からは嫌われると。

 その覚悟でどんどん情報発信をしているわけです。

あなたの敵は一生涯あなたの顧客にならない


 中にはあなたの敵というのができてくるかもしれません。

 噂と同じでネット上で叩かれるかもしれないし、色んな嫌がらせをされるかもしれません。

 看板を割られたりとかね(笑)。

 でも、そういうことがあっても一切気にしないでください。なぜなら、あなたの敵っていうのは一生涯あなたのお客様にならないからです。

 だから、基本的に敵に対して何かしらこちらからアプローチして行く必要無いんですよ。

 商売をしっかりと10年続けて行くっていうことを考える時に、本当申し訳ないんですけれど、一般大衆向けの商売で中小零細企業がやっていくっていうのは、ほんっっっとうに難しいです。

 我々は価格を上げても売れるような商品・サービスを提供して行かない限り、やっぱり10年で1割しかもたないっていう世界で生きているんです。

 顧客層を変えていけばどうなるかなって、本当に顧客層を変えて行けば、どこをどうやっても赤字決算にはならないです。

 自分たちの顧客をもう1回見直してみませんか?

 そしてその顧客に対するメッセージを出したら一般大衆に嫌われる!それを覚悟のうえで情報発信してみてください。

 多分、今より状況はもっと良くなるはずですよ。


 
(執筆者:タナカキミアキ)

【関連記事】