「ビジネスはお金が全てじゃない」は甘ったれ経営者のザレ言

 「ビジネスはお金が全てじゃない。お金よりも大事なものがあるはずだ。」とおっしゃる経営者の方もいらっしゃいます。しかし、島倉さんはこれを真っ向から否定。ビジネスが顧客に提供した価値をお金でもらう行為である以上、お金を否定することはビジネスを否定することになるからです。使い方と手段さえ良いものであれば、お金は尊いものになります。

「ビジネスはお金が全てじゃない」と言う経営者はアウト


 たまに、「ビジネスはお金が全てじゃない。お金よりも大事なものがあるはずだ。」って言う社長さんとお会いすることがあります。

 プライベートの話ではありません。ビジネスの話です。

 暗に、「お金で買えないモノだってあるんだ。」「カネ、カネって言ってる人間が嫌いだ。」って言いたいんでしょうね。

 でも、社長が「ビジネスはお金が全てじゃない。」なんて言ってたら、はっきり言ってその会社はアウトです。

 今はなんとかやっていけても、いざという時に踏ん張れずに倒れてしまいます。

ビジネスなのにお金を稼がないでどうやってビジネスが続くの?


 そもそもビジネスの基本は、売り手と買い手がいて、売り手が買い手(お客様)の悩みを解決したり、喜びを作り出すことで価値が生まれ、その価値に対する対価としてお金をもらうというものですよね。

 これ以上でも、これ以下でもありませんし、ただこれだけの話です。

 この流れ見たら、どうやってビジネスやる時にお金の話を抜かせるの??って、聞いてみたいです。

 儲かっているという現象は、沢山の価値を与えた人への感謝としてお金が入ってくる、という単純な現象でしかありません。

 つまり、儲かっている、稼いでいるってことは善なんです。

 だから、本当に善いことをしてお金を稼いでいる人にとって、お金ってすごくキレイなもので、本当に大事なものです。

 金融の世界でもお金のことを「信用」って言いますよね。

 お金を託せる人を「信用のある人」、お金を託せない人を「信用のない人」って言います。

 言わずもがなですが、どんなに相手が良い人であろうと、お金の支払が遅れるのが当たり前の人を、あなたは信用できますか?

 多少性格に難があっても、自分の仕事の価値を認めて正当な対価を払ってくれる人と、良いことを言ってもお金がちゃらんぽらんな人のどちらに価値がありますか?

 だいたい、「ビジネスはお金が全てじゃない。」って言う人って、人にめちゃくちゃ感謝されてお金儲けしたことがない、お金で成功体験を手に入れたことがない人が多いんです。

 成功したことがないから、売ることに対して心理的にどこか引け目を感じてしまうんでしょうね。

 もう一つ考えていただきたいのが、「ビジネスはお金が全てじゃない」って言ってる人で、本当に死にたくなるほどお金で困ったこと、辛くなる体験をしたことなんか無いんですよ。

 自分の親が商売で苦労して厳しい生活を強いられていた人に聞いてみてください。「お金が無くても大丈夫だった?」って。

 甘えるなって言われますよ。

 そんなこと言ってるくらいなら、もう一度サラリーマンやって、決まった給料もらったほうが幸せですよ。

 一歩間違えて借金しても絶対に「なぜ間違えたか」なんて振り返らないし、次も失敗してドンドン深みにハマりますから。

お金に困った経験があると「ビジネスはお金が全てじゃない」なんて言えない


 私も実は起業して最初は本当に食えなくって、品川駅近くで年末のビル清掃なんかやって日銭を稼いでいたことがありました。

 飲食店の入っているビルですから、忘年会とからんちき騒ぎじゃないですか。

 そうすると、吐いたものが散らかっているくらいなら良いんですけれど、脱糞しちゃう奴とかいるんですよ!

 他人のアレに三種類の特殊な砂を順番通りにかけて固めて、ヘラで取って、ウォッシャーでブゥイーンってキレイにするんですよ。

 あの年末、日給は夜で数千円でした。

 あの時に「絶対にお金を稼がないと」「1円でも無駄にしない」と心から誓いました。

 お客様にとにかく喜んでもらえるよう、成果を出すサービスを提供すること、サービスの価値訴求もとことんテストし、「ありがとう」とお金を払ってもらえるようになり始めた時、お金が輝いて見えました。

 そして今、実際に億単位の年収をもらうようになってわかったことは、世の中の90%くらいはお金があればなんとかなるということです。

 やりたいことがどんどんできるようになっていきます。

 「ビジネスはお金が全てじゃない。」なんて言わず、まずはお客様の役に立って、その成果としてお金をもらい、儲けることを目標としてみてください。(執筆者:島倉大輔)

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