戌年の株価は上昇する?知っておきたい2018年の株価アノマリー

 2017年は日経平均株価が年間で10%以上の上昇を果たし、バブル期以来の2万円台回復となりました。株価には理論で証明できないアノマリーと呼ばれるジンクスがあります。今年は戌年ですが、戌年の株価にも実はアノマリーが存在します。果たして戌年のアノマリーで行くと株価はどうなるのでしょうか?

2017年は株価上昇!では2018年は?!


 新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

 2017年はどんな年でしたでしょうか。ファイナンスの面でいうと、とにかく日経平均の伸びが目立った年だったように思います。

 東京株式市場は、日経平均株価の終値が2万2764円94銭と、昨年末終値から3650円57銭値上がりしました。また年末の終値が2万円を超えたのは、1991年以来26年ぶりだったそうです。

 1989年の最高値、3万8957円と比べるとまだまだですが、2009年3月に7054円だったことを考えると、だいぶ回復してきました。

 今年はその流れを引き継いで堅調に推移…するかどうかは明言できませんが、実は戌年の株価は上昇する傾向にある、と言われています。

アノマリーって何?戌年は株価が上昇しやすい?


 読者の皆さんは「アノマリー」という言葉をご存知でしょうか。

 理論では証明できないが、昔から言われているマーケットのジンクスのことで、例えば「月曜日は株価が上昇しやすい」だとか、アメリカでも「 大統領が任期満了で交代する年は株価が下がる」などと言われます。

 そのアノマリーには、干支をにちなんだ格言があります。

  「辰巳天井、午尻下がり、未辛抱、申酉騒ぐ、戌笑い、亥固まる、子は繁栄、丑つまずき、寅千里を走る、卯は跳ねる」

 というものです。
  • 「下がる」「つまずく」~株価下落
  • 「天井」「繁栄」「跳ねる」~株価上昇
  • 「辛抱」「固まる」~停滞・維持
 というような意味です。昨年は酉年。前半は大きな動きはありませんでしたが、9月以降の急騰を考えると十分「騒がしかった」と言える年でした。

 今年は戌年ですので、「笑う」年。過去の実績を見てみると、1950年以降の戌年は5度ありました。
  • 1958年:騰落率 40.3%
  • 1970年:騰落率▲17.3%
  • 1982年:騰落率 03.9%
  • 1994年:騰落率 13.5%
  • 2005年:騰落率 05.3%
 マイナスだったのは1970年の一度だけ。ビートルズが解散し、アポロ13号が奇跡の生還を果たした年ですが、日本ではよど号ハイジャック事件が発生し、市場が混乱した年でもありました。

 過去の実績は4勝1敗。さて2018年は笑える年になるか。まずは1月の動きに注目したいと思います。

株高をうまく利用し自らの力で豊かな家計作りを


 ただし、ファイナンシャルプランナーとして本当に注目したいのは、実生活においても成長を感じることができる年になるかどうか。企業は賃上げをためらっている感じがしますし、いまだに個人消費は鈍いです。

 景気拡大の影響が、家計の消費拡大に繋がって初めて「心から笑える年」になるのかもしれません。

 この1月からはつみたてNISAも始まります。昨年1月から対象が拡大したiDeCoも、利用枠を使っていない方もまだまだ多いでしょう。

 株高をうまく利用して、自分の力で豊かな家計を作っていく工夫も必要だと思います。(執筆者:赤井雅)

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