人間関係から来るストレスを客観的に捉え軽減させる「ウィルス」思考法

 現代人が抱えるストレスの原因の約85%は「人間関係」に起因しているそうです。あなたにも「凄く嫌な、付き合いにくい、何を言っても話が合わない、顔を見るだけでストレスになる」そんな隣人はいませんか?ただし、人間関係で悩み続けていると創造性も生産性も落ちて、何一つ良いことがありません。そこで本稿は、人間関係から来るストレスを客観的に軽減する「ウィルス」思考法をご紹介します。

ストレスの原因⇒約85%は「人間関係」に起因


 今回は、「ストレスのかからない人間関係の作り方」というテーマでお話してみたいと思います。

 博報堂生活総研の調査によると、現代人が抱えるストレスの原因の約85%は「人間関係」に起因しているそうです。※

 確かに皆さん、人間関係で凄いストレス抱えています。

 仕事をしていれば、仕入先や顧客、上司、同僚、部下…もう、ストレスかかる要因がたんまりありますよね。

 あいつなんやねん!と掴みかかりたくなったり、顔も見たくない、挙句の果てに会うのが怖いって悩んでいる方、多いんじゃないでしょうか。

 経営者の方でも、人間関係でボロボロになって、終いには心を病んで、会社を倒産させた人を沢山見てきました。

人間関係から来るストレスを客観的に軽減する「ウィルス」思考法


 たとえば、あなたにとって「凄く嫌な、付き合いにくい、何を言っても話が合わない、顔を見るだけでストレスになる」そんな人、仮にBさんという人がいたとしましょう。

 普通に考えると、Bさんに何かバーン!と言われただけで、「もう絶対ムリ」「こいつ嫌い」って思いますよね。

 ところが社会にいて、ビジネスをしているとこれに毅然として対応するのが難しいわけです。

 Bさんが取引先の人間で、しかも取引で大きな利益が発生している場合、啖呵を切って取引を止めるなんてなかなかできないじゃないですか。

 部下で嫌なヤツがいたとして、はっきりと「お前がマジで嫌いだ」なんて言おうものなら、「パワハラだっ!」って逆に言い返される可能性があります。

 じゃあどうすれば良いのか?

 この時はまず、相手にも事情があることに思いを遣りましょう。

 そして、真剣に、大マジに以下のように考えるのです。

本来のこの人は、こういう人じゃないんだ。今、この人はウィルスにやられている、侵されているんだ。
 こうやって考えると嫌な人との人間関係で、ストレスがかかりにくくなります。本人が悪いんじゃなくて「ウィルスが悪いんだ!」って考えるようになれるからです。

ウィルスにかかるのは一時であり、人は変わっていく


 あなたが中学生だった頃に学校のガラスを割って、悪びれもせずゲラゲラ笑って闊歩(かっぽ)するヤンキーはいませんでしたか?

 でもあなたはそのヤンキーに対して、表では愛想笑いをしていても、心の中で「クソ野郎」「クズ」「底辺野郎」と罵っていたのではないでしょうか?

 ところが数十年経って同窓会でヤンキーに出会うと、彼は板金塗装の会社を営む普通の中年男性に変わっています。

 あの頃の面影はなく、むしろ優しそうです。

 そう、彼は中学生時代に、「一時的に」ヤンキーウィルスに冒されていたのです。一過性のウィルスに彼はやられていただけなのです。

 ビジネスの世界で会う、あなたにとって「物凄く嫌なヤツ」も、実は一時的にウィルスに侵されているだけ。

 「利益出せてなくてヒステリー起こすウィルス」「会社から突き上げくらってるウィルス」「家庭内で不和が起きているウィルス」のようなウィルスに、一時的にかかっているだけです。

 あなたは、日々、ウィルスにかかっている人間と面と向かう医者のように、「あぁ、この人は一時的にこんなウィルスにかかってるんだなー」って、客観的に観察するくらいの気持ちでいれば良いのです。

 そうすると、自分の感情にフォーカスしすぎないで、「どうやってこのウィルスに対処しようか?」「このウィルスをもった人間にはどんな言い方が効くか?」って、嫌な人間との具体的な付き合い方を考えられるようになりますよ。


 


※博報堂
http://seikatsusoken.jp/teiten/ranking/653.html(執筆者:島倉大輔)

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