「清貧」なんてクソ食らえ!一番恥ずかしいのは売れなくて売上や利益がないことだ

 日本のビジネスマンが無意識のうちに支配されているメンタルブロック、それは「売ることは悪」という営業活動への罪悪感です。でも、誰かが売る活動をしなければ、私達は快適な生活ができなくなってしまいます。売ることは価値交換に欠かすことが出来ない尊い行為です。足りないのは、商品を買いたいと感じる人を増やすためのマーケティング活動なのではないでしょうか?

なぜ清富ではなく清貧でないとダメなのか?


 いきなりですが、僕は「清貧」という言葉が大嫌いです。

 「清」はわかる。「濁」なんて嫌ですからね。でもなんで「貧」なの?

 だから、「清く貧しく」ではなく「清く富める」

 「清貧」ではなく「清富」だろうと僕は激しく思うわけです。

 古今東西、お金持ち=悪人、儲けること=悪いこと。映画に出てくる悪役は大抵がお金持ち。

 こんな思考パターンを僕達は子供の頃から、知らぬ間に刷り込まれているのではないでしょうか。

 実はこれ「メンタルブロック」と言うやつです。

 「メンタルブロック」とは経験や環境によって培われた一定の思考パターンのことであり、心の中を支配する巨大な「壁」です。

 思い込みや先入観も「メンタルブロック」の一種です。

日本人を支配する「売ることは悪」のメンタルブロック


 「メンタルブロック」が厄介なのは、視点や行動を著しく偏ったものにしてしまうこと。

 「思考」というのは「見方」をコントロールし、最終的に「行動」をコントロールします。

 自分の心を守るために、本来見るべきものを見ようとしない。本来、やるべきことをやろうとしない。

 ビジネスにおいて最悪な「メンタルブロック」は、「売る」ことに罪悪感を持ってしまうこと。

 この売ることに対する罪悪感ゆえに、多くのビジネスが壊れていきます。

 しかも僕達日本人の多くは、無意識のうちに「売ることは悪だ」という罪悪感を植え付けられています。

 「セールスマンお断り」「セールス・勧誘は一切お断りします」という文字が、そこかしこに溢れているからです。

 物言う株主、村上世彰さんがその昔、「カネ儲けは悪いこと?」という言葉を発して世間から大ブーイングを受けたのをあなたは覚えていますか?

 確かに悪いことをして売るのはダメ。でも売って儲けることは本当に汚れた行為なのでしょうか?

 よくよく周りを見渡してみてください。誰かが「売る」という活動をしなければ、この世の中はどうなってしまうのでしょうか?

 優れたデザインの家、機能性の高いスマホ、家族の心を潤す美味しい食べ物…誰かが僕達に売ってくれなかったら、僕達はちっとも快適な生活なんて出来やしません。

 売ることは本来、尊い行為だと思いませんか?

一番恥ずかしいのは、売上や利益がないことだ


 ビジネスとは「価値」を提供し、その対価としてお金を受け取ることです。

 つまり、売上・利益が多い「稼いでいる」のは、それだけ「価値」を社会に提供していることを意味しているはず。

 売上や利益は、価値を交換した成果、一種のバロメーターなのではないでしょうか。

 僕は思うんです。

 ビジネスオーナーである以上、一番恥ずかしいのは、売上や利益がないことだと。

 なんだけれども、心の何処かで「売ることが嫌だな」と思っちゃう。

 だから営業やセールスという職種は、まー人気がありません。就職活動でも学生が一番嫌がる、やりたくないのは営業職です。

 でも、ビジネスをやっていくうえで、売ることに対する罪悪感を抱えているうちは、どうやったって成功できません。

 売ることに対するメンタルブロックを外せないままビジネスに挑むことは、ブレーキを掛けながらアクセルを踏むようなものだから。

 どこかで心が壊れちゃいます。

押し売りなんて必要ない。まずはマーケティングで買いたいファンを増やせ。


 たかだか数分の、これくらいの話で営業嫌いの人が、営業が好きになるなんて難しいとは思います。

 でも、僕は自分自身が世の中に価値を提供していると感じているから、やっぱり「清貧」は嫌だな。

 「清く富む」、「清富」の状態でいたいと心から思います。

 では、営業が大好き、営業がしたい。この状態を作るには、どうする必要があるのでしょうか?

 闇雲に押し売りする?数撃ちゃ当たる?まさかです。

 答えは簡単。自分を受け入れてくれる人、自分の会社や商品に興味を持ってくれる人を増やせば良いのです。

 すなわち、マーケティング活動によって、自分たちの商品を買いたいと感じる人を増やすこと、これこそが営業を好きになる一番の近道です。

 僕達を通じて笑顔になってくれるお客様が一人でも多くなったら…考えただけで嬉しくなります。

 売ることって本当に尊い活動だと思いません?


 
(執筆者:高橋 伸夫)

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