「平成」から元号が変わる際に企業の負担が想定される2つのコスト

 平成31年4月30日をもって「平成」という元号が終わり、新しい元号へ変更となります。会社のデータやデータを処理・保管するシステムが、西暦のみというケースは少ないため、使用するサービスやシステムに大規模な修正作業が発生する可能性が高まっています。「平成」から元号が変わる際に企業の負担が想定される2つのコストをご紹介します。

「平成」から新しい元号へ〜企業への影響は?


 平成31年4月30日をもって「平成」という元号が終わり、新しい元号へ変更となります。期限まで1年を切ってしまいました。

 企業の保有データ、データを処理・保管するシステムが、西暦しか使用していない、あるいは元号変更を考慮して作られている、ということであればそれほど問題はないのですが、大半の場合は西暦と元号が併用されているため、大規模な修正作業が必要となります。

 そこで本稿は、元号が変わる時に発生するであろう修正作業をご紹介したいと思います。

元号が変わる時に発生する可能性があるコスト


印刷物


 対外的なものだけでなく、社内的なものまで変更が必要なものをピックアップし修正します。

 上からシールを貼るなど簡単に直せるものならまだよいのですが、それ自体が使えないとなると、全て印刷し直しというだけでなく、残存を廃棄する必要があり、その予算を見込まなければなりません。

システム


 市販のソフトウェアしかり、独自のシステムしかり、元号変更に伴う仕様変更は必須の作業です。

 市販ソフトであれば買い換えなければいけないのか、アップデートだけで済むのか確認する作業を、今のうちに行ったほうがよいでしょう。

 社内独自のシステムであれば、まずどこを直さなければならないのかを洗い出し、作業の工程表策定から導入作業、導入後のバグ対応など費用だけでなく時間も必要となります。

費用の振り分けも一苦労。事前の準備が肝心。


 では、これらの変更作業に要した金額は、どのように処理されるでしょうか?

 直接費用化できれば簡単なのですが、それができない場合もあります。

貯蔵品


 社外への配布物を大量に印刷しなおした場合、未配布の在庫は貯蔵品として棚卸資産計上する必要があります。

固定資産


 ソフトやシステムを新しく入れ替えたとなると、その費用は原則として無形固定資産に計上されます。

 既存のものを修正した場合には修繕費として費用計上しますが、新たな機能が追加されたり、従前の機能が大幅に向上したとなると、資本的支出として資産計上する必要があります。

 いかがだったでしょうか?

 いざ、元号が変わるタイミングでドタバタしないように、今のうちから準備しておくのが賢明でしょう。

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