売上を今より上げたかったら、見たほうが良い数字は日々の売上ではない。

 スポーツの世界でも、音楽の世界でも、学問の世界でも、一流と呼ばれる人たちは例外なく「毎日続けていること」を持っています。ビジネスの世界で売上を上げたかったら「毎日続けること」は、「毎日、数字を記録すること」です。ただし、その数字は売上ではなく、自分の抱えている課題を数値化したものです。その理由をご説明します。

『売るために必要な習慣で、一つだけ選んでくれ。』


  「高橋さん、『売るために必要な習慣で、一つだけ選んでくれ。』と言われたら、それは何ですか?」

 昨日参加したある会合でこんな質問を受けました。「一つだけ」ここが難しいところですね。

 スポーツの世界でも、音楽の世界でも、学問の世界でも、一流と呼ばれる人たちは例外なく「毎日続けていること」を持っています。

 あなたが「売る」ために毎日続けていることは何ですか?

 例えば、今はSNSの時代。

 誰でも情報を発信できる時代だから、もう「文章を書くのが苦手」なんて言っていられない。

 毎日文章を書くことは「売る」ためにとても有効な習慣です。

 毎日のインプットだって「売る」ために有効。でも「一つだけ」と言われたら…これまた違うなと思うのです。

「毎日、数字を記録すること」ただし、売上じゃない。


 5分間だけ時間をもらい、考えに考えた挙句、僕が導き出した答えがこれです。

 それは、「毎日、数字を記録すること」です。

 毎日数字を記録して眺めていると、私達は「数字を良くしたい」と思うような思考を習性として持っています。

 ダイエットでも、この私達の習性を利用して、レコードダイエットというダイエット法を多くの人が実践しています。

 ただし、ビジネスの場合、毎日見なければいけないのは、売上や預金通帳の残高ではありません。これらは変えられぬ結果でしかありません。

 売上や預金通帳の残高を毎日見ても、そこから出てくるのはため息だけです。

 私達が毎日見るべき数字、それは、過去の変えられぬ数字ではなく、より良い明日を作るため、今抱えている課題、改善できる数値です。

 改善することで変えられる数値を毎日見ながら、戦略を立て、戦術を練ることこそが、あなたの会社の明日を、未来を作っていきます。

自分の抱えている課題を数値化し、毎日記録する。


 たとえば、あなたのビジネスにおいて、リピート、再来店率が低いのならば、あなたが見たほうが良い数字は、再来店率や再利用率です。

 リピートの仕組みを考えることができなければ、売上も伸びません。

 サイトからの集客(成約)が弱いのであれば、アクセスとコンバージョン、サイトへのリピート率を毎日記録してチェックします。

 時系列で自分の抱えている課題を数値化したものを毎日眺めていくと、必ずトレンドが見えてきます。

 課題とする数字には必ず必然的な現象があり、未来を表す兆候があります。

 まずはフォーカスすべき数字を3つくらい見つけてください。そして、これを毎日数値化して把握してください。

 売上が悪ければすぐにわかるし、通帳残高だってオーナーならおおよそは把握しています。

 それよりも自らが課題を持つ「ビジネスを前に進める数字」にフォーカスして、行動につなげられるようにしましょう。


 
(執筆者:高橋 伸夫)

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