イケてない小さな工務店を地域NO1メーカーに変えた簡単な掛け算式

 少し前まで、ごくごくありふれた「普通」の工務店…というか、イケてない住宅メーカーだった札幌のとある工務店。ところが、この会社は既存にある要素を少しずつ改善し、これらを掛け算で掛け合わせることによって、瞬く間に地域ナンバーワンのハウスメーカーに化けます。彼らが使った掛け算式とは?

掛け算を征する者はビジネスの世界を征する


 ビジネスは足し算ではなく、掛け算を使った人が征するゲームです。

 掛け算を活用しているビジネスは実際、とても強くて真似しにくい。

 今日は、ある住宅メーカーの成功ストーリーをご紹介したいと思います。

 この工務店は少し前まで、ごくごくありふれた「普通」の工務店…というか、イケてない住宅メーカーだったんですね(笑)。

 安く土地を仕入れて、建物を建て、高く売る。いわゆる建売住宅を販売するメーカーでした。

 でも、このやり方だと、できる家のデザインも、販売価格も普通、販促プランも普通。

 ところが今では、彼らはこのエリアの「NO.1」に何年も君臨し続けるようになりました。

 彼らが変わる際に使ったのが、ズバリ「掛け算」の考え方でした。

イケてない小さな工務店を地域NO1メーカーに変えた簡単な掛け算式


 どのように彼らは「掛け算」ビジネスを始めたかというと、自分たち独自の全く新しい販売方法をはじめました。

  デザイン性の高い住宅 ✕ ローコスト住宅 ✕ 極めて明朗な料金システムで販売する

 というやり方です。

 確かにデザイン性の高い住宅は沢山ある。でも、そういう住宅にローコスト住宅はありません。更に、こだわりのメーカーは料金が不明瞭。

 彼らは、これら顧客の不満を少し改善したサービスを、掛け算で掛け合わせ、お客様の側にとっては幾ら払えばよいか明確、売る側にとっては利益が簡単に計算できる、安心なビジネスモデルを作りました。

 気づいた方もいらっしゃるかもしれないのですが、彼らが目指したのは、住宅メーカーのユニクロです。

 このホームページを見てください。なんだかユニクロみたいでしょ?

節約社長
豊栄建設株式会社:RICCO STYLE

ビジネスを飛躍させるのは、既存にあるモノを利用した小さな改善の掛け算


  デザイン性の高い住宅 ✕ ローコスト住宅 ✕ 極めて明朗な料金システムで販売する

 どれも既存にあるモノを利用した小さな改善だけれども、掛け合わせると他社が真似できない、とても優れたビジネスモデルが出来上がります。

 実際のところ、何かのビジネスでナンバーワンになるのは非常に難しいことです。

 でも、掛け合わせて作った領域なら、彼らのように小さな領域のナンバーワンになることは、僕たちにだって可能なわけです。

 たとえば、売上を2倍にしたいと思った時、お客さんを2倍にしなければならないと、多くの人は思いますよね。

 でも、本当は売上を2倍にしたいと思ったら、顧客数1.2〜1.3倍✕来店頻度1.2〜1.3倍✕成約率1.2〜1.3倍✕客単価1.2〜1.3倍=売上2倍以上、という掛け算を目指したほうが現実的。

 ビジネスを飛躍させるのは、既存にあるモノを利用した小さな改善の掛け算です。ぜひあなたのビジネスでも、何を掛け算したら良いか考えてみませんか?


 
(執筆者:高橋 伸夫)

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