WEB集客の新常識!追いかけてくる奴ら〜リマーケティング広告はもう通用しない?

 「一度、どこかのWEBサイトにアクセスした後、そのWEBサイトの広告を見る機会が増えた」という経験はありませんか?これは、WEB広告の専門用語で「リマーケティング広告」と呼ばれるものです。コンバージョン率の高さから脚光を浴びたリマーケティング広告ですが、最近、少しずつ効果が薄れ始めています。その理由はなぜか?他の代替手段は無いか?について解説します。

追いかけてくる奴ら〜リマーケティング広告はもう通用しない?


 今日は、「WEB集客のザイオンス効果は自動より手動が新常識」というテーマでお話していきたいと思います。

 インターネットで買い物する時に、どこかのWEBサイトにアクセスするじゃないですか。

 そうすると、「しばらくそのアクセスしたWEBサイトの広告を見る機会が増えた」と、こういった経験をした方は多いと思います。

 あれは、専門用語で言うと、「リマーケティング広告」というWEB広告の仕組みを使っていて、心理学的には「ザイオンス効果」というものを狙って、自動で売り上げを出している仕組みなんですね。

 いきなり難しそうな説明から入りましたが、専門用語を解説した上で、「リマーケティング広告」の勝ちパターンが段々と勝ちパターンではなくなっている、ということを解説します。

「リマーケティング広告」に効果があったワケ〜ザイオンス効果


 まず、ザイオンス効果というのは、同じ人や物に接触する回数が増えるほど、その人や物に対して好印象を持つようになる効果のことです。

 例えば、オーダースーツを買おうとして、とあるWEBサイトにアクセスすると、全員が1回のアクセスでスーツを買うわけではなくて、実は90%以上の人は何も買わずに1回WEBサイトから離脱するんですね。

 でも、この離脱した人は、すぐには買う決断をできなかったとしても、「オーダースーツの購入を検討している、優良な見込み客」ですよね。

 だから、リマーケティング広告というWEB広告を使って、一度WEBサイトにアクセスした優良な見込み客に、自動で繰り返し広告を表示します。

 すると、見込み客と広告との接触回数が増えて、ザイオンス効果が働くようになります。

 結果として、その見込み客はオーダースーツをほしくなり、いずれは再度WEBサイトに訪問してくれて、オーダースーツを買ってくれる、こういったことが狙いなんですね。

 実際に、リマーケティング広告を使って、自動のザイオンス効果を狙う手法は、コンバージョン率がとても良かったんですね。

リマーケティング広告の効果が薄れた背景にある消費者心理


 しかし、最近は、リマーケティング広告を活用するのが「当たり前」になって、多くの見込み客がたくさんのリマーケティング広告を目にするようになったんですね。

 その結果、リマーケティング広告にウンザリする見込み客が増えて、コンバージョン率が悪くなったんです。

 見込み客がリマーケティング広告にウンザリして、コンバージョン率が落ちた理由は、自動でリマーケティング広告を見せるという手法が、見込み客にとっては「売り手の人間味」を感じないからなんです。

 見込み客というのは、商品・サービスの良さだけじゃなくて、「売っている人は信頼できるかどうか」で買うかどうかを決める傾向があります。

 リマーケティング広告が珍しい時代には効果があったんですけど、いろんな売り手のリマーケティング広告を目にするようになると、珍しさが弱くなって「人間味」というのが気になるようになって、購入するのに慎重な姿勢を見せる見込み客が増えたんですね。

 そうなると、コンバージョン率は当然下がってしまいます。

手をかけた「自動より手動のザイオンス効果」に注目


 でも、ザイオンス効果自体が全く使えない理論になったわけではないんです。

 例えば、一度WEBサイトにアクセスした見込み客に、Facebook広告を見せて、Facebookページにいいね!してもらって、そのFacebookページで定期的に情報発信するという、「手動のザイオンス効果」はかなり有効です。

 定期的な情報発信でザイオンス効果を手動で狙う方法は手間暇はかかるのですが、「人間味を感じられる」という理由から、リマーケティング広告だけで売るよりもコンバージョン率やCPA(顧客獲得単価)は良いケースが多いです。

 ちなみに、リマーケティング広告のような自動のザイオンス効果が全く使えなくなったわけではないですよ。

 広告の運用をうまくすれば、今でも利益を出せる優秀なWEB広告です。

 ただし、世の中の主流が「自動より手動のザイオンス効果」に移っていっているのは間違いないですので、いくら面倒でも、定期的な情報発信で見込み客との接触回数を増やす活動は、必須かなと思います。


 



 



 



 
(執筆者:朴 智弘(ぱく ちほん))

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