大人が毛嫌いする場所とやり方で、いつの間にか膨大な資産とビジネスを作る若者達

 2017年に発表された「中学生の将来なりたい職業ランキング」で、男子第3位はユーチューバーでした。ところがこれに一部の大人は激怒し、専門家を利用してまで、彼らの夢をストップさせる論調を展開しました。反対する大人が持ち出した理由は「収入が不安定」というもの。じゃあ、実際どうなのよ?ということでキミアキ先生が持論を解説します。

中学生の将来なりたい職業ランキング男子第3位はユーチューバー


 「最近の若いもんは」なんて昔からよく言われてきたことですが、私は「最近の若いものは凄い!YouTubeの世界!」と思っているんですよね。

 というのも、ここ1年ぐらいで平成生まれのユーチューバーがガンガン頑張っておりまして、やっぱり革命というのは古今東西、常に若者が起こすんだな〜ということを感じております。

 ところがね〜、やっぱり大人たちは「認めたくない」っていう考えが強いんですね。

 去年発表された中学生の将来なりたい職業ランキングでは男子の第3位に、女子では第10位にユーチューバーが入っています。

大人はすぐ「収入が不安定」だから止めろと言う


 この時に大人がどれだけ怒ったかですよ〜。

 「ユーチューバーなんて職業じゃない(怒)!」なんて言って、終いには専門家まで持ちだして、その専門家に対して、「ユーチューバーなんて如何にリスクがあって、ユーチューバーなんて職業に成り得ない!っていうことをちゃんと言ってください!!!」なんて訴えてね。

 それで、こんなふうにユーチューバーをディスるわけです。
  • リスク1:ユーチューバーは飽和状態
  • リスク2:ネタのやりつくされ感、過激化で犯罪になることも
  • リスク3:個人情報の流出(顔出しなんてトンデモナイ!)
  • リスク4:メンタルを病む(目立てば目立つほど、嫌なコメントが増えて病むよ!)
  • リスク5:収入が不安定(大人が大人らしく言う時の常套句)
 リスク5については、いつも大人が若者の可能性を否定する時に出る主張ですね。

 大人が大人らしく言う時に、「”収入が不安定”だから、職業とは成り得ないんだよ。」てネ。

 これがいわゆる常識人が常識人を説得するときに、必ず使う”手”です。皆さんもよくご存知ですよね?

 常識人というのは結局、何かを押さえ込むとき「食えるか・食えないか」って話をよくするんですね。

 だから、「絵描きで食えるか!」とか「声優で食えるか!」それから「バンドマンで食えるか!」みたいな感じでね。

 そんなに「食う」って大事なのかナ〜って思うくらい、すぐに「食える食えない」の話をします。

 ところが、”サラリーマン並み”の収入を得た瞬間に、なぜか「それって立派な職業だよネ〜」というふうに手のひら返しをするのが常識人なんですよ。

 ですから、これだけの収入をきちんと安定的に得ることができれば、すぐにでも職業として認めるのがいわゆる多数派の人たちですね。

トップユーチューバーには既に馬鹿にならないお金が入っている


 じゃあ、いつ認めるかっていうのは、結局はこれらの収入が公になったら、なんとな〜く「あれってさ、ちゃんとした職業だよね」って、多分言われると思います。

 ところが、最近の調査でも「子どもになって欲しくない職業」として1位がブッチギリでユーチューバーです。

 親の6割が「ユーチューバーにはなって欲しくない」っていうふうに言っているわけですよ。

 ところが、YouTubeに入ってくる広告料収入の推移、そしてYouTubeのクリエイターがもらう市場規模を考えれば、親の不安に対する答えは簡単です。

 今年2018年は1800億円くらい動画の広告市場にお金が入ってくるであろうと。

 そして、オリンピックの時は2700億円っていうことで、1.5倍です。

 このくらいのお金が動画市場にはいってくると。

 YouTubeはその売上高を公開していませんから、推測するしかないです。

 今年は1800億円の市場のうち、仮に4分の1がYouTubeに入ったとしましょう。ざっくり400億円にしましょうかね。

 そうすると、YouTubeに動画をアップしている人たちが受け取る広告収入というのは55%です。

 ざっくり200億円が彼らの手元に入って来るとしましょう。

 そして、去年のUUUMの社長と田原総一朗さんの対談では、日本のユーチューバーは1万人から2万人という話がUUUMの社長から出ていました。

 ということは、ざっくり上位5000人くらいが金を分け合うとして、200億円を5000人で分けると平均400万円です。

 400万…十分に職業と言えるくらいにその5000人(平均ですけどね)には金が流れているんです。

誰がどう言ったところで流れは止められない


 誰がどう言ったところで、これからYouTube動画の市場規模は拡大していきます。

 たぶん、上位5000人くらいについては、今より更に分けてもらえる金額が多くなるはずです。

 これくらい市場が伸びていることを考えれば、ユーチューバーは十分に職業に成り得ると。

 というのも、私自身がユーチューバーではないんですけれど、YouTubeからの収入がバカにならなくなってきました。

 直近の30日のデータですと、月間767,569回再生で、1日大体27,000回再生です。

 私の講義動画は大体5分程度でして、目安としては、再生回数✕0.3円〜0.4円くらい頂けます。

 私は昔、教室講師をやっていました。

 雇われ講師だったからだと思うんですけれど、自分の授業が自分の財産になることなんて無かったんですよ。

 当時、私の講義というはビデオ撮りされていました。そのビデオ撮りされたものがどこに行くかというと地方の学校に行くんです。

 ビデオ講座の教材として使われるんですが、それは1回あたり2000円です。ところが、私には1円も入ってこない(笑)。

 ですが、これを自分でインターネット上に動画をアップしておくと、新しい動画を出す度に古い動画も見てもらえて、昔の授業がお金になるっていうね!

 これに気がついちゃったんですね。つまり、YouTubeにアップロードした私の動画は、私のデジタル資産として勝手にお金を生み始めているんです。

大人の知らないところで新しい資産家が生まれている


 最近の若い、平成生まれのユーチューバーの人たちは、そういうことを自然とやっちゃっているし、あとはセルフプロモーションの上手さで「自分で自分を売る」という商売の基本が非常にこう身についちゃっているんですよ。

 いつもYouTubeでそれをやっちゃっているわけですからね、ユーチューバーとして。

 その技術と実践がハンパないです。

 そして、今1日ひとりくらいの割合でどんどんどんどん日本の中でYouTubeで「飯が食える」人たちが増えているっていう話で。

 これまで大人が自分たちで理解ができなかったから、認めていなかったユーチューバーという人たちが、本当にちゃんと自分で商売ができる、つまり自分で商売ができているし、自分の財産をインターネット上に作っているっていうね。

 そういう恐ろしい存在になって来ているんだっていう話です。

https://www.youtube.com/watch?v=obkUD1c2nzo(執筆者:タナカキミアキ)

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