上司に「ゴミ以下の人間」と呼ばれた男が社長を15年以上やれている理由

 最初から自信を持った人間などそうそう存在するものではありません。しかし世の中では、ある時まで「みにくいアヒルの子」のような扱われ方をしてきた人間が、グングンと成長しはじめるケースがあります。ネガティブがたたり、上司に「ゴミ以下」「ゴミのほうがマシ」と呼ばれていたのに、今では成長企業の社長を務める南本さんが、自らが成長した理由を明確に教えてくれます。

「ゴミ以下」と呼ばれた男が過去にいたんです!


 はい、皆さんこんにちは。組織活性化プロデューサーの南本です。

 今日のテーマはこれ!「『ゴミ以下』と呼ばれた男」です。

 「ゴミ以下」と呼ばれた男が過去にいました。

 人間なんですけどね(笑)、「ゴミ以下」って言われた男がいたんですよ。

 誰かと言いますと、この私、南本静志です。

 ちょうどあれは28歳の頃です。今が56歳ですから、大体入社して4〜5年経ったくらいでしたかね。

 その頃の私は、紀陽銀行という地方銀行のシステム部っていうところに配属されまして、システムエンジニアの仕事をやっておりました。

 何か、システムの適性があったのかどうか分かんないんですけど、色んな適性検査をやった結果、システム部っていう所に28歳で配属されました。

 まぁ、退職して何年も経ちましたからぶっちゃけますと、和歌山県の紀陽銀行と、三重県の百五銀行と日本ユニシスっていうメーカーで、システムの共同開発する際に、紀陽銀行側のリーダーに抜擢されたんですよね。

リーダーに抜擢されたは良いが、自信が全く持てない


 まぁ、抜擢されたのは良かったんですけれども、当時の私はとにかく自分自身に自信が無かったんですよ。

 特に『部下のマネジメント』、これが出来なかったんです。

 部下がその当時3〜4人いたんですけど、マネジメントが全く出来なかったんですね。

 消極的で恐怖に怯えてたんです(笑)。なんで、俺がこんな立場に立たされたんだと。

 全く仕事が手につかないですし、やる気がないというか、何やっていいかもわからないんで、消極的になって、怒られる・叱られることが日常茶飯事。

 だから、より一層恐怖に怯えるわけでございます。

 今から思えば、人間として社会人として、サラリーマンとして、ビジネスマンとして本当にダメだめな人間だったなぁという(笑)。

 今から思えば、超がつく『ネガティブ』でしたね。

 出てくる言葉は、否定語ばかり。「出来ません」とか「無理です」とか、そういうネガティブな用語ばっかり出てくるんですよね。

 そうすると脳ってネガティブになっていきますよね。

 「誰も信じられない」「出来ない」っていう、そんな感じでどんどん殻に閉じこもっちゃいました。

 『先が見えない』状態ですから、明るい未来なんて見通せる力もないわけですね。

部長に言われた「お前よりゴミのほうがマシだ」


 まだ私は平社員だったんですけれど、ついに当時の部長に「私、自信がないです」「どうしていいかわかりません」「期待に添えません」とぶちまけました。

 私も正直者なもんで、上司、しかも課長を飛び越えて部長に直接言ったもんだから、その部長がしばらく3秒ぐらい間を空けて、「もう、お前はゴミ以下だ」って言ってきたんですね。

 お前は、そこらに転がってる、鼻かみとったティッシュとか、食べ残した弁当とかそれと一緒のレベルだと言われました(笑)。

 どうですか?「ゴミ以下」ですよ。そんな事を皆さん言われた事ありますか?

 今だったらパワハラですよね。

 「お前はゴミ以下で役に立たない」「ゴミのほうがマシだ」みたいな事を言われたわけですよ。

 それで何の解決策も、何の指導もなく、会議・ミーティングが終わって、私も、さぁ途方にくれて、「私はどうすればいいんだ」と悩んだりしたんでしょうね。

 悩んだりもしたんでしょうけど、結論としてシステム構築の仕事を真面目にやることから逃げたんですよ!

 結果論的にはそれが良かったんですけれどね。

 なんでそうしたんだろう?と考えると、人間どん底まで落ちると『今が底』だって諦念が湧くんでしょうね。

 どん底まで落ちて、%で言ったら0%に落ちるわけですから。マイナスは無いとして、ゼロまで落ちたら、あとは上がるだけだと開き直ったんだと思います。

 「もうどうでもいいや、俺の社内評価とか」みたいに。

 銀行っていうのはお硬い業種で、査定も減点評価なものですから、それまでは自分の評価をかなり気にしてたんです。

 上長から自分はどう見られてるかって、評価を気にしながら色んな事をやってると、どうしてもさっきみたいに消極的になっちゃうんですね。

 ところが、ゴミ以下だと言われたことで、「もういいや!」と「どうせ評価低いだろうから、もういいや!」って開き直ったんですね。

 ケツまくったんですよ。

 色んな事を言われましたけれど、「そんなもん後回し後回し」みたいな感じで、自分のスタイルで仕事組み直しながら、自分流で全部やってったんですよね。

ゴミ以下の男が始めたこと、それは勉強だった


 それでさっき言った逃げ道というのは、『中小企業診断士』の資格を取ることでした。思いっきり勉強してやる!と思ったんです。

 「このままこの仕事を続ける、システムエンジニアとしてキャリアを踏むといっても、多分俺にその能力はねぇな」と思ったんです。

 それで、ちょっと違う世界を見てみよう、勉強しようと思ってたら、『中小企業診断士』っていうのが、日経新聞にガーンと『資格取得・ビジネスマンの第一候補!』『人気資格!』みたいに載ってたんで、勉強し始めたんですね。

 今は資格を取って私は診断士としての仕事もしていますけども、その当時はガッツリ勉強しました。

 勉強するんだ!と思ったら、大原とかレックとかタックとか、ああいう学校、スクール、ああいうのに行って1年間勉強するのとかおすすめです。

 特に中小企業診断士の講義はおすすめですよ。資格取る取らないとか関係なしに。

 私はあの頃、もうケツまくってましたから、開き直ってめっちゃ勉強しました。ゴミ以下と呼ばれたので恥もクソも無いわけですよ。

 それで人間って面白いもんですね。勉強すると出来るようになってくるんですよ。

 特に、中小企業診断士の勉強って、経営について必要な知識を体系立てて勉強できるんです。

 財務とか労務とかマーケティングとか戦略論とかね。自分で勉強し始めると、客観的に自分の仕事も見れるようになっていきます。

 「あ、これは、今戦術的にちょっと違うな」とか「戦略上目標がちょっと違うな」とか、わかるようになってくるんですよ。

 試験もあるので、計画を作って目標設定しながら、ちゃんと「小さな目標を達成していく」っていう事も、どんどん出来るようになりました。

 他の人より勉強してるから、意見を言うようになって、段々と具現化していけるようになったんですね。本も読みまくりましたしね。

 あと、レポートのまとめ方もどんどん体系的になっていったんですよ。

 それを実務で使えるようになって、銀行でも上司にどんどん色んな事を提案するようになっていきました。

知識が人に自信を与え、行動させ、結果を変える


 そしたら、あらま、「南本がまとめたレポートは中々イケるな」っていう話になってきたんですね。

 ゴミ以下って言われた部長とかに。

 そんなこんなで、勉強しまくったおかげで、客観的に色んなことが判断できるようになって、論理的に体系的に具申したり提案することを続けていったら、結果として自信が持てるようになりました。

 自信持って意見を言うようになったので、ある程度押し通していく事も出来るようになっていきます。

 この記事を見て頂いている方でも、多分「自信ない」って仕事で悩んでる方も多いと思うんですよ。

 でも、私も「ゴミ以下」ってずっと言われてたんですよね。

 出社拒否とか、もの凄いネガティブに流れてもよかったんですけれど、そこは自分は競争心が凄く強い人間なんで、そうしなかったのは良かったです。

 前向きに逃げて勉強しまくった結果、知識が凄く入ってきて、他の銀行員とは格段に違うようなアウトプットができるようになったので、ある程度銀行員やったら、もう独立しようか〜って思ったんですね。

 全然、独立できるな、俺。って思ったんですね。

 始めてみて、何回かはありましたよ。一ヶ月後に会社消えるかもということが(笑)。でもね、不思議とやっていけたんですね。

 なぜかって、勉強量が圧倒的だという自信があるからなんです。

 それで今こうやって会社を15年やって、10年くらいはずっと伸びて、事業も何個か作って、色んな企業さんの業績を伸ばすお手伝いをさせていただいております。

 そうなった今でも、どんどんどんどん勉強しまくってます。

 最初、自信なかったら、10万か20万くらいのお金を投資して、学校行って講義・理論をめちゃくちゃ勉強してください。

 本を読みまくってください。もう勉強の鬼になってほしいんですよ。

 そうすると、本当にびっくりするくらい自信が付きますし、実務もステップアップしていきます。

 「ゴミ以下」って呼ばれていた人間からは以上です。


 
(執筆者:南本 静志)

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