「何かを売る今すぐに」60年経っても衰えぬダイレクトマーケティングの威力

 ダイレクトマーケティングは約60年前にレスター・ワンダーマンが発案し、後にダン・S・ケネディによって多くの人が実践的に使うようになったマーケティング手法です。ダイレクトマーケティングは成果をあげるうえで、現代も極めて有効であり、まだ学んだことが無い方がいるなら、その内容を勉強することに損はありません。

ダイレクトマーケティングが生まれて60年経過


 今日のテーマは、「ダイレクトマーケティングという魔物」です。

 ダイレクトマーケティングという概念は、WONDERMANという広告代理店の創始者であるレスター・ワンダーマンさんが考えだしたものです。

 今や世界60カ国で展開していて、日本だと電通さんとタッグを組んで会社を作ったりもしました。

 WONDERMANという会社の創立は1958年とかなり古くてですね、ダイレクトマーケティングも1960年台にガンガンに使われたと言われております。

 ワンダーマンさんは、ダイレクトマーケティングについて”戦略であり戦術ではない”というふうに捉えていたんですけれど、ダン・S・ケネディさんは更に戦術論に落としこんで、実践としてはどういうふうなダイレクトマーケティングをやっていけば良いのかと、そういう事を本にしました。

 『ダン・S・ケネディが教える小さな会社のためのマーケティング入門』という名著です。

 私のYouTubeチャンネルにも3年前からアフィリエイトを貼っているんですが、今なお売れています。

ダイレクトマーケティングの行動指針は「何かを売る今すぐに」


 ダン・S・ケネディさんの本の良いところは、とにかく実践論に光を当てていることです。

 単刀直入に言うと、あなたの行動指針…つまり、あなたが広告を使うための行動指針は、「何かを売る今すぐに」だって、ダン・S・ケネディさんは言うんです。

 要するにセールスをしろ!と、その為の広告なんだという位置づけなんですね。

 あくまでも戦術論ですから、戦術論で考えて行くと、広告をつくる時は10のルールに従えば良し!ということを説いていらっしゃいます。

 代表的なところを一部抜粋すると、こんな感じです。

常に1つ以上のオファーをする


 ダン・S・ケネディさんが言う”オファー”と言うのは、「お得感」です。

 たとえば、『ダン・S・ケネディが教える小さな会社のためのマーケティング入門』という本自体がそれでして、定価は3,800円の本なんですけれど、それが「送料の550円のみで手に入りますよ」って、本の販売方法自体が”オファー”なんです。

相手がただちに行動を起こさずにはいられないようにする


 期限を区切ったり、あるいは限定品にしたりして、顧客の行動をとにかく動かせ!そう、ダン・S・ケネディさんはおっしゃいます。

どのような行動をするべきか分かりやすく指導する(誘導する)


 「ここのボタンを押せばいいんだな」とか「電話すればいいんだね」とか、お客様がどう行動したらよいかわかりやすく指導します。

追跡と測定を行う


 どの媒体の広告から、どのお客さんが行動を起こしたんだろうかと、EメールなのかWEBなのかそれともセールスレターなのかって話ですね。

 これは一部でして、本には10のルールについて他にも記されています。

 この10のルールに従って広告というのは作れば良いんだ!って話なんですね。

 たとえば今だと、WEBサイトを使ってそのまま売る…つまり、ウェブサイトをセールスレターの変わりにするみたいな形の物も増えてきていますよね。

 これも、ダイレクトマーケティングの考え方から来ているアプローチ手法なんです。

結果を生み出すのに欠かせぬ「成果の三角形」


 さて、ダン・S・ケネディさんは、どんなものの習得も毎日1時間でもやれば、1〜3年で世界レベルの専門家になれると言われていて、自分でも一生懸命考えてマーケティング手法というのを技術として習得したそうです。

 これはホラ、1万時間の法則とか石の上にも三年とかあるじゃないですか??

 あれに共通することで、この本が出版されてからちょうど3年位経つわけですが、私も勉強してある程度は本当に習得できました。

 彼の考えに、「成果の三角形」というものがあるんです。

 成果を出すためには”正しい”ものを3つ組み合わせる必要があって、1個でも間違えちゃいけないよって言われているんですね。

 それが何かと言うと、
  • 正しいメッセージ
  • 正しいマーケット
  • 正しいメディア
 です。

 私もコピーライティングを考えますけれども、まずこれが顧客に刺さらないといけません。正しいメッセージですね。

 それを正しい市場(需要のある市場)に投下して、正しいメディア(紙媒体?Eメール?SNS?)でオファーすると。

 これが1個でも間違えていると、大体売れないんですよ。私もこれは必ずチェックをします。

ダイレクトマーケティングが特に有効なのは労働を減らして稼ぎを増やす商品


 あとは、YouTubeやブログがこれに合っているのかなと思うんですが、労働を減らして稼ぎを増やす(自動化)ことを、ダイレクトマーケティングでは考えていきます。

 たとえば、中途半端なユーチューバーでも”労働”が基本的に減っていくのは、例えば新しい動画をアップすると過去の動画も見てもらえて、稼ぎ自体は労働時間に反比例して増えて行くんですよ。

 世界中のどこかで自分の作った動画が見られている時にご飯を食べていても、YouTubeから収益が入ってくるんですよ。

 ダン・S・ケネディさんも、自動的に売るシステムをもっと考えてみようよ、っていう提案をされています。

 それから、商売をやっていれば当たり前なんですけれど、まずお客様に売ったらですね、より継続して買ってもらうために”囲い込み”みたいな事をやる。

 ダン・S・ケネディさんは”フェンス”と呼んでいますけれど、フェンスをどうやって構築していくのか。

 それにはやっぱりニュースレターをどんどん活用していこうよって話なんですよ。

 これ、結局、”売る”ところから始まって最終的には”囲い込み”、”ライフタイムバリュー”といいますけれど、より長くお客様でいてくれてたくさんお金を出してくれるとか、あるいはより多く買ってくれるとか、そういう事が全部…要するに「戦術レベル」で必要になります。

 ダン・S・ケネディさんの550円本が売れ続けている理由は、彼の商品(本)自体”オファー”が非常に強いからで、ダイレクトマーケティングの威力を証明しています。

 皆さんも一度はダン・S・ケネディさんの本を読んで、ダイレクトマーケティングについて勉強してみてはいかがでしょうか。


 
(執筆者:タナカキミアキ)

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