株価下落が上場企業のビジネスに与える3つのデメリット
昨年末に日経平均株価が大幅な下落を見せました。株価は上場企業への評価という側面を持つだけではなく、ビジネス自体にも大きな影響を及ぼします。株価下落が上場企業に与えるデメリットを3つご紹介します。
株価下落が上場企業に与える3つのデメリット
昨年秋頃は24,000円以上つけていた日経平均株価が、年末には一時2万円を切るなど、様々な要因で大きく変動することが多くなりました。
上場企業にとって株価は、単なる市場(投資家)の自社への評価というだけでなく、ビジネスの場面でも様々な影響を及ぼします。
以下はその代表事例です。
1)市場における資金調達が困難になる
直接的に影響を受けるのは新たに資金調達をしようとする場合です。金融機関借入による資金調達は機動的に行えますが、利息を含めた返済義務があります。
その点、新株発行による資金調達では基本的に返済義務がないため、企業にとっては自由度が高い資金となります。
ですが、もし株価が低いと発行価額も低く設定せざるを得なくなるため、入手できる資金が少なくなってしまいます。
また、株価が低い企業への出資ということで、出資者が予定通り集まらない可能性もあります。
2)買収リスクが発生する
更にM&Aの場面でも影響が出てきます。合併や買収を考えるとき、自社と相手先企業の企業価値が重要な要素となってきます。
自社の株価が高ければ、時価総額=企業価値も高くなり、条件などの交渉でかなり有利に働きます。
ですが、自社の株価が低ければ、不利な条件を飲まされたり、そもそも交渉にも応じてくれない事態も考えられます。
さらに、株価が低迷し時価総額が低ければ、買収をしかけられる事態も起こりえます。
買収まではいかなくとも、一定数の株式を取得されれば大株主として会社経営に介入することもできますし、役員を送り込むことも可能になります。
3)株主からの突き上げと長期戦略
株価が低い状態が続くようであれば、当然株主からの突き上げも厳しくなります。
なんとか株価を上げようとすると、経営はどうしても短期的な視点で進められるようになってきます。
結果として、企業戦略の変更を余儀なくされることも可能性として生じます。
中長期の戦略が欠けていると、一時的に株価が上がっても、長期的にはさらに株価が下がってしまう原因となりかねません。
まとめ
このように、上場企業にとって株価が下がることには様々なデメリットがあります。
日々の株価変動はさほど企業活動に影響を及ぼしませんが、継続した株価下落場面では各上場企業に対策が求められるのです。