もうだめだ。失敗して落ち込んだ時にお勧めしたい心のリカバリー対策

 もうだめだ、助けてほしい。誰しもこんな気持ちになったことがあることでしょう。失敗した当初は落ち込むかもしれませんが、それでも人生は続きます。大事なのは、失敗の経験をプラスの力に変えることです。そこで本稿は、今日からすぐにできる、失敗して落ち込んだ時のリカバリー策をご紹介いたします。

もうだめかもしれない時のとっておきの対応策


 「もうだめかもしれない。誰かタスケテほしい。一刻も早く楽になりたい」。

 私は、そう思った時にやるべきことを決めています。

 「寝る」です。

 バカみたいな話に思われる方もいらっしゃることでしょう。でも、これはものすごく効果が高い回復方法です。

 人間はネガティブな思考をしたまま夜を迎えると、本当にろくな事を考えないものです。

 たとえば、少し他人と口論になっただけで、「あいつはもうダメだ。いっそ縁を切って付き合いをやめよう」などと極端な事を考えてしまったりすることはよくある話です。

 でも、朝になると「自分にも悪い部分があったし、付き合いをやめるなんてとんでもない。感情的になって申し訳なかったな…」などと思うことがありませんか?

 私が聞いた話で印象的だったのは、「恋人から別れようと言われた時間帯が重要だ。夜言われたら取り返しがつく可能性があるが、朝言われたら諦めろ」というものです。

 これはものすごく納得のいく話でした。確かに恋人から頭がはっきりしていて、感情的にも冷静な「朝」に別れを告げられたら、回復は極めて困難というのはあなたも納得頂けると思います。

 人間は感情の動物。怒りや悲しみ、絶望に落とされた時は、まっさきに寝るべきなのです。起きていても、ろくな思考がめぐりませんし、朝になってそれがひっくり返るなら起きてモヤモヤと悩んでいても「無意味」です。

すっきりしたら人工知能になりきってみよう


 もちろん、寝ることでかなり思考は改善されますが依然として「状況」は変わりません。

 その次に私達がやることは、うまくいかなかったことを「必要なデータ」と捉えることです。

 極端なたとえかもしれませんが、「自分は人工知能であり必要なエラーデータを集めているんだ」という考え方をするのです。

 私自身、この概念を取り入れてからは失敗を恐れず、肯定的に捉える事が出来るようになりました。

 下手な精神論より、よほど自分の心を落ち着ける事ができるからです。なぜなら、失敗は次に繋がる貴重なデータですから、繰り返せばいつかは必ず成功にたどり着くことができます。

 人工知能ですらデータの取得と学習により成長し続けるのですから、いわんや人工知能のモデルである私達の脳は、失敗を自らの経験として前向きに捉えることができるなら、飛躍的な成長をとげることができるようにできているのです。

失敗の経験はあなたに信用という資産を作る


 もしあなたが、もうだめだと感じた時に、これを前向きにとらえることができるようになると、失敗はあなたの信用を作ってくれるかけがえの無い資産に変わります。

 人は他人の自慢話を嫌います。自分はどれだけ優れた人間か?成功者か?そんな話を聞きたい人はほとんどいません。他人の成功談を聞いたところで、その話通りの結果を得るのは難しいからです。

 一方で、失敗談は違います。失敗は再現性を持ったものが多く、話を聞くだけでも失敗を回避することができますから、まさに宝物です。

 そして人は成功談ではなく、失敗談なら話を聞こうと思うものです。「自分はこんな失敗をしたから、あなたは失敗しないで欲しい」と伝えると、多くの人が集まり、熱心に話を聞いてくれます。

 本当に世の中はよくできているなと思っていて、失敗をせずに成功を重ねてきた人には魅力を感じないものです。失敗はあなたに対する他者の共感を生むのです。

 ですので失敗は喜ぶべき対象です。失敗は人から信用を得るための資産です。

 嘘をついて「自分はこんな失敗をした」という必要はありませんが、本当に失敗をしたなら「この失敗は後で必ず活きた資産になる」と受け入れることで心が楽になるのではないでしょうか。

 私も本当に失敗ばかりしていますし、短期的には落ち込むこともよくあります。でも振り返ってみれば、失敗は本当に宝の山です。

 今後も大いに失敗を繰り返しながら前へ進んでいきたいと思います。(執筆者:黒坂 岳央)

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