2017年7月27日 11:28
上向く製造業循環、高まる人民元リスク
世界の製造業循環は、昨年後半から今年年初にかけて回復基調を強めた後、しばらく足踏みが続いた。これは、中国が春先に過剰なレバレッジなどの対策を強化したことに加え、iPhone7 の効果一巡や中国における中低価格帯スマホの在庫調整から、ITデジタル関連の需要拡大が一服したことが背景にあった。しかし足元では、欧米で堅調な景気の回復が続く中、懸案の中国は拡張財政にサポートされて失速を回避し、ITサイクルにも再加速の兆しが現われてきた。既にIT産業が集積する台湾では、iPhone8関連の部材などの出荷が本格化しつつあり、夏場以降は年末商戦に向け、スマホの新製品に関連した需要が全般的に拡大してくる公算が大きい。ITデジタル関連の世界的な需要の拡大は今後も継続し、グローバル・サイクルの回復のモメンタムは強まりそうである。
もっとも、景気が堅調であるならば、各国の中央銀行は金融引き締めを強化することとなる。実際、既に緩やかな利上げ局面にある米国に続き、カナダも7月に利上げを実施、イングランド銀行は早期の利上げを示唆し、ECBは量的緩和の縮小を模索するなど、先進各国で金融引き締め方向に動き出す中銀が増えてきた。問題は、こうした影響が新興国、特に中国にも及ぶことである。中国はこれまで、米ドルと人民元を事実上ペッグしてきたが、それを維持するため、資本規制を強化すると共に、米国と同じかそれ以上に金利を引き上げてきた。今後、米国が引き締めを強化すれば、為替相場を維持するために、中国は更に金利を引き上げる公算が大きい。しかし、中国経済は米国と異なり、過剰問題を抱え、何とか財政で景気を下支えしている有様で、金利上昇に実体経済がいつまで耐えられるかはわからない。グローバル景気が明るさを増しているのは朗報だが、それがもたらす先進国の利上げが、中国人民元の問題を再燃させるリスクがある。
【クロワッサン】
もっとも、景気が堅調であるならば、各国の中央銀行は金融引き締めを強化することとなる。実際、既に緩やかな利上げ局面にある米国に続き、カナダも7月に利上げを実施、イングランド銀行は早期の利上げを示唆し、ECBは量的緩和の縮小を模索するなど、先進各国で金融引き締め方向に動き出す中銀が増えてきた。問題は、こうした影響が新興国、特に中国にも及ぶことである。中国はこれまで、米ドルと人民元を事実上ペッグしてきたが、それを維持するため、資本規制を強化すると共に、米国と同じかそれ以上に金利を引き上げてきた。今後、米国が引き締めを強化すれば、為替相場を維持するために、中国は更に金利を引き上げる公算が大きい。しかし、中国経済は米国と異なり、過剰問題を抱え、何とか財政で景気を下支えしている有様で、金利上昇に実体経済がいつまで耐えられるかはわからない。グローバル景気が明るさを増しているのは朗報だが、それがもたらす先進国の利上げが、中国人民元の問題を再燃させるリスクがある。
【クロワッサン】
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