2017年9月27日 08:27
広がる世界経済拡大の恩恵、懸念は持続力
2017/9/26
グローバルサイクルは回復基調を強めており、OECDは世界経済の見通しを、2017年3.5%、2018年3.7%へ上方修正した。これは、2011年以降で最も高い成長率である。また、春先に調整していたITデジタル・サイクルも、iPhone新製品や年末商戦向けのスマホ需要の拡大も加わり、復調しつつある。こうした中、日本の輸出も再び増勢が強まってきた。日本銀行試算の実質輸出を見ると、8月は前月比3.0%と大きく増加、その水準は、リーマンショック前の2008年3月以来の高さとなっている。8月の輸出を押し上げたのは、米国向けの自動車や関連部品、スマートフォン用などアジア向けの半導体などであり、前者については、米国内の自動車販売が減少気味なことを考えると、拡大は続かないかもしれない。しかし、後者の半導体を含む電気機器は、年末商戦向けの需要拡大も加わって、さらなる増加が見込めそうである。また、資本財や素材など、それ以来の財も好調な世界経済が追い風となりそうだ。日本経済は輸出にサポートされ、当面は回復基調が続くと見られる。
但し、世界経済の拡大を支える要因の一つは、世界的に緩和的な金融環境であり、これは既に変わり始めている。まず、FEDのメンバーの多くは年内に追加利上げを行うことを想定しており、ECBも10月にはQE縮小に向けた動きを示すと見られる。カナダは既に2会合連続で利上げを実施しており、英中銀も今後数ヵ月以内に利上げをしたいとのシグナルを発している。米国を始め多くの先進国は、景気が好調であってもインフレが低く、それ故、金融引き締めのペースは緩慢に留まる公算が大きい。したがって、長期金利は上がらず、国内経済への引き締め効果は限定的で、同時に、新興国から資金流出を引き起こすことにも繋がっていない。とはいえ、こうした状況がいつまでも続くわけではない。米経済は既に完全雇用に到達しており、ユーロ圏も回復基調を強めているため、今後も引き締めを続けていくことは避けられないと見られるが、先進国とは対照的に、新興国・資源国は、最悪期こそ脱したものの、景気は未だ脆弱で、多くの国は巨額の外貨建て債務も抱えている。世界的に金融環境が引き締め方向に向かう中、それらの国の景気がいつまで耐えられるのか、今後より注意が必要になってくる。
【クロワッサン】
グローバルサイクルは回復基調を強めており、OECDは世界経済の見通しを、2017年3.5%、2018年3.7%へ上方修正した。これは、2011年以降で最も高い成長率である。また、春先に調整していたITデジタル・サイクルも、iPhone新製品や年末商戦向けのスマホ需要の拡大も加わり、復調しつつある。こうした中、日本の輸出も再び増勢が強まってきた。日本銀行試算の実質輸出を見ると、8月は前月比3.0%と大きく増加、その水準は、リーマンショック前の2008年3月以来の高さとなっている。8月の輸出を押し上げたのは、米国向けの自動車や関連部品、スマートフォン用などアジア向けの半導体などであり、前者については、米国内の自動車販売が減少気味なことを考えると、拡大は続かないかもしれない。しかし、後者の半導体を含む電気機器は、年末商戦向けの需要拡大も加わって、さらなる増加が見込めそうである。また、資本財や素材など、それ以来の財も好調な世界経済が追い風となりそうだ。日本経済は輸出にサポートされ、当面は回復基調が続くと見られる。
但し、世界経済の拡大を支える要因の一つは、世界的に緩和的な金融環境であり、これは既に変わり始めている。まず、FEDのメンバーの多くは年内に追加利上げを行うことを想定しており、ECBも10月にはQE縮小に向けた動きを示すと見られる。カナダは既に2会合連続で利上げを実施しており、英中銀も今後数ヵ月以内に利上げをしたいとのシグナルを発している。米国を始め多くの先進国は、景気が好調であってもインフレが低く、それ故、金融引き締めのペースは緩慢に留まる公算が大きい。したがって、長期金利は上がらず、国内経済への引き締め効果は限定的で、同時に、新興国から資金流出を引き起こすことにも繋がっていない。とはいえ、こうした状況がいつまでも続くわけではない。米経済は既に完全雇用に到達しており、ユーロ圏も回復基調を強めているため、今後も引き締めを続けていくことは避けられないと見られるが、先進国とは対照的に、新興国・資源国は、最悪期こそ脱したものの、景気は未だ脆弱で、多くの国は巨額の外貨建て債務も抱えている。世界的に金融環境が引き締め方向に向かう中、それらの国の景気がいつまで耐えられるのか、今後より注意が必要になってくる。
【クロワッサン】
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