助成金を利用して少ない資金で起業ってできるのかな?とお考えの方へ。
助成金という制度、なんとなく意味合いを推測できる反面、どのような制度なのかは曖昧な方が多いと思います。
本記事では起業をお考えの方へ「助成金」について解説します。
助成金とは
国からもらえるお金というニュアンスで認識できている人は多いと思います。
「お金が無くても助成金で起業開業できる」なんて事も耳にしたことがあるかもしれませんが、これは少し認識が違います。
その理由について見ていきましょう。
助成金の特徴
助成金とは主に「雇用」に関係する施策について支給される公的支援金です。
現状は 会社を立ち上げたから、起業開業したから受給できる、というものではありません。
一般的には雇用に関する以下の行為に対して支給されるものなのです。
- 雇用を促進した
- 従業員の労働環境を整備した
- 人材育成に取り組んだ
「起業資金としては支給されないのか…」とガッカリするのはまだ早いですよ。
起業したあと会社を成長させるためにはお金が必要になります。
その時に助成金は返済不要の資金調達の方法としてとても有効です。
繰り返しますが、助成金は融資と違い返済の必要がなく、もちろん利子も付きません。
活用しない手はありませんから、今から覚えておいて損はありません。
助成金と補助金の違い
助成金と補助金の違いをざっくり説明すると、補助金の方が受給金額も受給難易度も高いということです。雇用に関する行為に支給される助成金とは違い、設備投資に支給されるというイメージがフィットするかもしれません。
補助金は競争率も高く受給のハードルが高いため、イメージとしては大手企業が補助金に強い専門家に依頼して申請しているというケースが多いです。
もしあなたがこれから起業しようと考えている、もしくは起業して間もないようでしたら、まずはハードルが低い助成金から申請してみることをおすすめします。
助成金と補助金の違いを端的にまとめましたので参考にしてください。
違い | 助成金 | 補助金 |
---|---|---|
受給難易度 | 【低い】条件が合致すればほぼ確実に受給できる | 【高い】審査を通過しなければ受給されない |
財源 | 【厚生労働省】雇用保険料 | 【経済産業省や地方自治体】税金 |
受給金額 | 【小さい】1人あたり50〜100万円前後 | 【大きい】1千万〜2千万規模になることもある |
募集期間 | 【長い】随時募集で予算がなくなり次第終了 | 【短い】一般的に数週間に限定して募集 |
逆に共通点としては、前途のとおり原則的には返済不要だということです。
また、どちらも後払いという特徴もあります。
受給するときの注意点
融資の場合、審査がおりればすぐにお金を借りることができます。しかし、助成金は後払いです。支給が決定してもすぐに受給できるわけではありませんので注意しましょう。
申請した通り正しくお金が使われたことが確認ができたら受け取ることができるのです。
また、助成金は毎年改正されます。新たな制度ができたり、逆に昨年まで募集していたものが今年はもうなかったということもあります。既存の制度が見直され、内容が変更になっている場合もあります。
助成金は常に最新の情報を収集することが重要です。
起業時に覚えておきたい助成金
キャリアアップ助成金
厚生労働省のオフィシャルサイトでは、概要を以下のように説明しています。
有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者(以下、「有期契約労働者等」という。)の企業内でのキャリアアップを促進するため、これらの取組を実施した事業主に対して助成をするものです。
つまり、非正規雇用 労働者の減少に取り組む施策です。
働き方が多様化する近年、2019年8月の時点では7つのコースが用意されています。
生涯現役起業支援助成金
厚生労働省のオフィシャルサイトでは、概要を以下のように説明しています。
1.雇用創出措置助成分
中高年齢者( 40 歳以上)の方が、起業によって自らの就業機会の創出を図るとともに、 事業運営のために必要となる従業員(中高年齢者等)の雇入れを行う際に要した、 雇用創出措置(募集・採用や教育訓練の実施)にかかる費用の一部を助成します。
2.生産性向上助成分
雇用創出措置助成分の助成金の支給を受けた後、一定期間経過後に生産性が向上している場合に、別途生産性向上にかかる助成金を支給します。
「起業支援助成金」となっていますが、起業するために要した出資金や資本金が支給されるわけではありません。あくまでも、対象となる条件一致者の雇用創出に要した費用に支給されるものです。
少子高齢化による人材不足問題に、まだ働くことができる元気なシニア層の雇用拡大を促進する国の施策に沿った助成金となります。
特定求職者雇用開発助成金
厚生労働省のオフィシャルサイトでは、概要を以下のように説明しています。
高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成されます。
対象労働者(高年齢者や障がい者、シングルマザーなど就職困難者)を、雇用保険の一般被保険者として継続雇用すれば受給できる助成金です。比較的 準備に手間がかからない助成金で手軽に申請することができます。
助成金は情報収集が大事
本記事では起業時に活用できそうな助成金を3つに絞って紹介しましたが、この他にも地域雇用開発助成金やトライアル雇用助成金など、さまざまな助成金があります。
助成金は支援テーマごとにたくさんの種類があるため、受給資格のチャンスは広がります。
しかしその反面、種類が多すぎて自社が受給できる(可能性がある)助成金を判断するのが難しいのも事実です。また、新しい支援制度もなんのお知らせもなくできたりします。
受給の対象となることを知らずに本来受けられた支援を受けられないなんて損ですよね。
そこで助成金を得意とする社労士さんに相談する、もしくは助成金セミナーを受講することをおすすめします。
社労士さんは、顧問契約がない場合「助成金」に特定しての相談は受けてもらえないケースもありますので、確認が必要です。
助成金セミナーは無料で開催されることが多いので気楽に参加することができるでしょう。
タイムリーな情報収集ができ、講師に直接質問できることもメリットです。
しっかり情報収集をして、支援制度を活用しビジネスを飛躍させましょう。