「石の上にも三年」ということわざがあります。
例えば同じ組織で働く場合、ある程度の期間働いてみないと仕事・会社の本質は見えないものだから、まずは続けることが大切だというような意味合いで使われます。
石の上にも三年は副業にも言えることなのですが、副業は自由に仕事を選べる反面、同じ仕事を続けるモチベーションを保ちにくいという難点も持っています。
そこで今回は、副業を継続するためのモチベーションをどう維持するかについて、いくつか心構えをご紹介します。
知的好奇心を満たす
副業が未経験の世界なら、そこで学ぶことはおそらくあなたにとって「初めて」のことばかりでしょう。
目新しいものに対して興味を示すのは、子どもだけでなく大人も同じです。
どの分野も学べば学ぶほど奥が深い
百聞は一見に如かずと言いますが、実際に自分で体験してみないと、なかなか意識しないことは数多くあります。
副業として初めて農家さんのお手伝いをした方の感想に、
「もぎたてのトマトは高級レストランで食べるものよりも美味しかった」
というものがあります。
冷静に考えてみると、ついさっきまで実をつけていたものを、もいですぐに食べたわけですから、スーパーやレストランに運ばれてくるものよりも新鮮なのは間違いないわけです。
言葉で言えば当たり前のことでさえ、現場で経験しなければ自分の血肉にはなりにくいもので、そこから新しいビジネスチャンスが生まれることもあります。
自然農園の野菜を使うレストランに野菜を提供する農家さんが、過去にレストランで働いていたコックだったり、副業としてコックをやっていたりする場合は、やはり野菜を栽培する目線も違って見えるはずです。
副業だからこそ「広く浅く」でも「狭く深く」でもいい
本業ではないことだからこそ、副業に対するスタンスを自分で決められます。
それはジャンルによって「広く浅く」であったり、「狭く深く」であったりします。
取り急ぎ稼ぎのいい副業を短期間・20万円以内でやりたいというなら、ポイントサイトを使う方法もあるでしょうし、逆に本業と関係するジャンルを勉強したいのであれば、じっくり取り組んで知識・経験を蓄えれば本業に応用できるかもしれません。
一生使える深い知識・技術を身に付けよう
本業はあくまでも生活のためにやっていて、実力が付けば別のジャンルで生計を立てたいと考えている方なら、一生使えるような深い知識・技術を副業で身に付けるという方法もあります。
人生を長いスパンで考えたとき、定年を待つだけの生活よりもその方が充実していることでしょう。
「生涯現役」で働ける仕事は、実はそれほど多くない
さまざまな仕事がある中で、生涯現役で働ける仕事というのは、それほど多くありません。
肉体労働については、やはり身体が年齢とともに言うことを聞かなくなるため、体力に自信のある方以外は難しいでしょう。
会社役員なども、やはり年齢制限があるところは少なくありませんから、幹部職になったからといって安泰というわけではないのです。
年金や老後に左右されない技術や知識は一生を支える
定年があるサラリーマンとは違い、個人の技術・知識を活かす仕事には定年制がありません。
ある意味では完全歩合のため、優秀で経験があれば引く手あまたになる可能性は十分あります。
翻訳業などはその典型例で、Google翻訳が広まってからも一定のニーズが存在しています。
特に、誤訳が許されない出版物の場合などは、経験者以外にはそもそも副業として門戸が開かれていません。
プロの翻訳家の間では、翻訳の仕事は「白髪頭になってからが本番」とも言われ、一生というスパンで学ぶ姿勢と経験が武器になる、数少ない副業のジャンルと言えるでしょう。
独立を目指してみる
将来への不安・危機感という意味で副業を考えると、将来的に独立を想定するケースも出てきます。
自分が今本業として勤めている会社の仕打ちに対する「保険」として、副業を検討するという考え方もありそうです。
会社が自分を守ってくれる時代は終わった
不況が長く続く日本において、終身雇用の時代は終わりを告げました。
大企業であっても大規模なリストラが行われ、早期退職の結果タクシー運転手や警備員・さらにはホームレスに身をやつしたという退職者の話も、珍しい話ではなくなりました。
そんな中、自分を守れるのは自分だけという「自己責任論」に近い風潮が、日本に空気のように蔓延しています。
首を切られたときに備えて実力を蓄える
もちろん、本業で成果を出せば首切りは免れるかもしれませんが、人間には失敗がつきものです。
会社を追われるリスクを鑑み、事前に一人で社会に貢献できる仕事を身に付けるため、副業に取り組むという姿勢は決して大げさなものではありません。
他の誰でもない、自分のために副業をするのであれば、自ずとモチベーションは上がるはずです。
まとめ
以上、副業におけるモチベーションを維持するための心構えについてご紹介してきました。
好奇心・勤務期間・独立と、それぞれ異なる動機となっていますが、共通しているのは「副業」が自分の人生を豊かにしてくれるという点です。
自分の望む未来、後悔しない今を選択するために副業を行うのは、そうしない人に比べてより大きなアドバンテージとなってくれることでしょう。