サラリーマンや主婦の方が副業を始める場合、当然これからしっかり稼ごうと息巻いていることでしょう。
しかし、副業を始める前に、いくつか気を付けておきたいことがあります。
最悪、無視してしまうとひどい扱いを受ける可能性もあります。
今回は、副業を始めるにあたって、サラリーマンや主婦にはなかなか身近でない「ルール」についてご紹介します。
就業規則をチェックしておこう
サラリーマンの方は、会社員として本業を持っている身ですから、会社で副業が認められているかどうか、就業規則をチェックしておく必要があります。
認められているのであれば問題ありませんが、条件付きの場合もありますから、規定されている条件の確認は怠らないようにしましょう。
また、禁止することが明記されている場合、事前に社長に報告すればOKといった例外措置はないかを確認してください。
副業の内容によっては、本業と親和性があるケースも考えられますから、例えば本業の宣伝になることが想定されるケースであれば、認めてくれる会社があります。
そして、残念ながら副業の一切が認められていない場合は、最悪会社を辞める想定もしながら副業に取り組まなければなりません。
今の会社に未練があるのであれば、投資など別の方法を模索した方が賢明です。
主婦の方はアルバイト・パートとの兼業に注意
専業主婦の方が在宅ワークなどで副業を行うのであれば、基本的に大きな問題は起こりません。
稼いだ額に応じて確定申告の必要が生じますが、禁止される理由は特にないからです。
しかし、アルバイト・パートに従事しながら兼業を行う場合は、サラリーマン同様職務規定に違反していないかどうか、念のため確認しておくとよいでしょう。
パート社員の副業については規定を設けていないケースがほとんどですが、企業秘密や個人情報が漏洩するリスクの高い仕事に従事している場合などは、副業を禁止している場合がありますから注意が必要です。
また、労働基準法第38条第1項の「時間計算」に関する規定を見ると、
『労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する』
というルールがあることから、A社で7時間労働したあと、B社で3時間労働した場合、通算労働時間が10時間となって、8時間を超える2時間分につき、B社は割増賃金を支払わなければならないケースが考えられます。
そのため、副業を行っている場合は労務担当者などに相談し、計算上不具合がないかどうか確認しておいた方が、トラブルの種を減らせます。
立場に応じて確定申告が必要な収入が違う
サラリーマンが本業の合間に副業を行った場合、20万円以上の収入があった年は確定申告を行う必要があります。
そのため、経費を除いて20万円以上の収入があれば、その収入につき確定申告が必要になります。
ここで注意したいのが、フリマアプリやオークション取引の場合です。
単品であれば個人取引のため不課税取引となりますが、継続的に販売を行っていれば営利目的とみなされ、課税対象となります。
専業主婦の方であれば、【副業で稼いだ所得−基礎控除38万円>0円】となった場合に、確定申告が必要になります。
要するに、稼いだお金が38万円未満であれば、確定申告はいらないということです。
これに対して、パート社員のように給与をもらっている主婦の方は、会社の年末調整で基礎控除が消化されることになり、サラリーマンと同様20万円以上の収入があれば確定申告をする必要があります。
それぞれの立場で確定申告する要件が異なることに、注意しておきましょう。
税金未納は借金以上に怖い罰則が
少額の収入であればイメージが湧かないかもしれませんが、税金の滞納は、時として銀行で借金をするよりも恐ろしい状況を引き起こす可能性があります。
というのも、税金は自己破産をしたとしても支払義務があることから、日本国民として生きていく以上、どうあがいても逃れられない仕組みになっているのです。
まず、税金を支払わずに放置していた場合、支払期日の翌日から「延滞税」というものが発生します。
国税庁のタックスアンサーをチェックすると、以下のような条件が書かれています。
・納期限の翌日から2月を経過する日までは、原則として年「7.3%」
・納期限の翌日から2月を経過した日以後は、原則として年「14.6%」
2ヶ月後には税率が倍になっているというのは、なかなか恐ろしい話ですよね。
そして、滞納している状況をそのまま放置していると督促状が届き、さらに支払いを拒否すると「滞納処分」が下されます。
これは、税務署が滞納者の資産を差し押さえする手続きになりますから、預金はもちろんのこと、自家用車や不動産、給与に至るまで、滞納者が持つほぼすべての資産が差し押さえられてしまいます。
事実上、犯罪者に近いレベルでの厳しい処分を受けることになるのです。
まとめ
副業解禁の流れは進んできていますが、まだまだ理解のある会社はそれほど多くありません。
無駄な衝突を避けるためにも、副業ができるかどうかご自身の環境を確認することは忘れないようにしましょう。
また、確定申告についても、自分が条件に該当しているのなら、必ず税金を納めるようにしましょう。
黙っていたとして万一見つかってしまえば、数年前にさかのぼって滞納した分を請求されてしまいます。
厳しい措置を受けないためにも、できることはしっかりやっておきましょう。