仁賀木 ひろみ

活躍する女性ITエンジニアを応援します!

東京都大田区出身。蒲田で育ち、現在も大田区在住。
株式会社SACC 代表取締役 社長

 大学卒業後、大手メーカー系システム開発会社にて従事。2度の出産の後、転職、フリーランスを経て2009年SACC株式会社設立。 20年以上システム業界を見てきた中で、会社にとって効果の高い導入を行う例が少ないことを実感し、2013年ITコーディネータの資格を取得した。

※ITコーディネータは経営にITを活用して、企業内の意識改革および経営目標達成へ導くための先導役として企業をサポートする。

 ITコーディネータの役割は、まさに女性の良さを発揮できるものと考え、今後はさらに女性エンジニアの活躍の場として事業を拡大していく計画。

2012 年半ばまでは、エンドユーザ企業からシステム開発を受託し、社内開発にて納品することを中心としてきたが、2012 年後半事業整理を行い、システムアドバイザーとしての活動の割合を拡大中。 システム化やシステム改善の課題が明確化する前に、何をどうしたらいいのかといった、漠然とした相談から乗ることで、システム開発へのリスク低減を図る。 また、システム開発会社にとっても、整理された内容の要件を提示されることにより、開発側のリスクも低減可能なため、3方善のサービスとして推進。

 企業の組織と業務の役割分担の整理、業務フローの見直しをしながら、現場の改善と仕組みとしての IT活用の推進に向け、システム開発プロジェクトを立ち上げ、稼働までの情報整理とシステム開発会社との橋渡しの役割を担う。

 システム開発プロジェクトにおいては、要件の整理のみならず、ユーザインターフェース設計や機能仕様についてもレビューに立ち合い、業務改善に対する効果を最大限にできるようサポートする。
また、全体スケジュールに対する進捗状況の管理や、各担当のタスク管理なども行う。

 エンドユーザにとっても、システム会社にとっても橋渡し役の存在は重要であると認知されてきている。今後はこういった役割へのニーズは、増加して行くものと推察できる。


システムアドバイザー事業の意義と想い
 システム業界に長くいる中で、業界としての大きな2つの課題があることを強く実感してきた。その課題を解決するために、システムアドバイザーが有効に機能すると考える。

【1】本当にお客様の役に立つサービスを提供できているのか?

 システム業界はサービス業界であるはずだが、専門用語が多く、お客様に内容をご理解いただくことが難しい場合が多い。
また、エンジニアのコミュニケーション能力不足のためにお客様にご理解いただく説明もできず、本当の要望(ニーズ)を引き出せていないことも多くある。その結果、高額を投じて構築したシステムが使いやすいものではなかったり、機能過多、あるいは不足といった問題が発生しやすい。
 こういった問題は、要件定義する開発会社側が売りたいイメージを持っていることも要因の一つとなっている
開発会社を呼ぶ前に、お客様の社員の立場で相談に乗り、どのような機能をシステム化するかをお客様と共に検討している伴走者の立場が絶対的に必要である。
 また、開発開始後もエンジニアの話をお客様にわかりやすく伝え、言っていることの正当性あるいは矛盾点・問題点を明確にできる立場としても必要である。

【2】 女性エンジニアが結婚・出産を経ても能力を活かした仕事で
   活躍し続けることがとても難しい。

 業界内の女性エンジニアは全体の2割~3割(会社によってはそれ以上)を占める。中には非常に優秀な方もいて、男性エンジニアよりもコミュニケーション能力が高い分、お客様の信頼を得られる場合がある。 しかしながら、頑張れば頑張るほど結婚の時期が遅れ、中には子供ができない結果となってしまう方も多くいる。
 勤務時間が長い現場が多く、結婚・出産を機に1線から外れてしまう場合も少なくない。優秀な女性が抜けるということは、業界にとって損失以外の何物でもない。

 20年前からすれば多少は改善されているものの、体力勝負の現場では続けられない、というのが現状である。

 出産・育児によって自分以外の周りに配慮する力、相手の目線に立って話を聞こうとする力、他の人とのバランスを取って判断する力、まさに中間管理職やお客様担当として求められる能力が備わっている女性が多いことに、業界はまだあまり意識を向けていない。