株式会社日本総合研究所 チェアマン・エメリタス(名誉理事長) 高橋 進 氏

デジタルワークプレイスDay 2019「働き方改革のその先へ」

住友銀行(現三井住友銀行)を経て日本総研。2005年~07年内閣府政策統括官(経済財政分析担当)。経済財政諮問会議、一億総活躍国民会議、働き方改革実現会議、人生100年時代構想会議等の民間議員として、長く国政の政策立案に参画。現在は、パラダイムシフトと日本のシナリオ懇談会、沖縄振興審議会、休眠預金等活用審議会等の委員を務める。

働き方改革というと、残業時間の削減や有給休暇取得の促進といったことに注目が行きがちですが、働き方改革の真の目的は、生産性の引き上げと、その成果を分配することです。残業時間を減らしても仕事の仕方が変わらなければ、人手が足らなくなるだけです。生産性を引き上げるためには、仕事の長さではなく成果で評価する仕組みや、柔軟な働き方を認め、デジタル技術などをフルに活用して業務改革を進めていくことが求められます。同時に、人材育成への取り組みを通じて従業員の能力を引き上げるとともに、ITやAIなど新たなテクノロジーを活用して新商品やサービスを生み出すことで、企業の付加価値を高めていくことこそが、働き方改革の本丸です。